第355回 NATIONAL HEAD BAND - "Albert 1" | |
1971 UK-WARNER K46094(Hard Rock) | |
RARE度:★★ | |
Member : Neil Ford(g,key,vo), Jan Schelhaas(key), Dave Paul(b,g,key,vo), Lee Kirslake(ds,vo) |
|
Side (A) 1. Got No Time 2. You 3. Too Much Country Water 4. Lead Me Back 5. Listen To The Music |
Side (B) 1. Ilsington Farm 2. Try To Reach You 3. Brand New World 4. Mister Jesus |
ブリティッシュ・ロックの隠れた名作と言われるうちの一枚で、このバンドとしては71年の唯一作です。 一般的には知名度は低く、B級中のB級扱いを受けているバンド、となるのですが、キャメル(CAMEL)のヤン・シェルハース(Jan Schelhaas)や、ユーライア・ヒープ(URIAH HEEP)をはじめとする 数々のバンドを渡り歩く名ドラマー、リー・カースレイク(Lee Kirslake)も参加しています。 ・・とメンバーを聞いてこのレコードを私が購入したのは、正にハード・ロック一辺倒だった血気盛んな20代の頃で、その当時は正直言って求めていた音楽性とは少々違っており、ハンブル・パイ(HUMBLE PIE)の 3枚目のレイド・バックした曲群なんかと似た雰囲気のアルバムだな、とそんな総括をしておいたものです。 しかし!当時のワタシには、この渋さがわかっていなかった!! 出だしのA1はロック、ロックしていてカントリー・テイストはまだ低め。アメリカっぽさが匂わない程度にギリギリ香ってはいますが、リズム・セクションがゴリゴリしているのでブリティッシュ・ロックとしても十分に魅力的な1曲です。ドラムスも間違いなく腕達者な割に、決して 目立とうとせず、オカズも最小限。この奥ゆかしさは70年代ならではだと思います。 ギターも、ネバネバしてくれてはいますが、暗黒系ではない大人なネバネバ感で、ソロの途中にみんなに妥協してなんとなくリフに戻っていくところなんかがいいですね。この辺りの良さは40歳を超えた位からから より沁みるようになってきます。 しかしながら、A-2以降はもうゆるゆるの屋外ロック。とは言えヘロン(HERON)のような感じでもなく、正統派ブリティッシュ・ロックの良さは保っていて、いずれも曲も丁寧なコーラスが特徴的です。 A-3でもやっぱりコーラス部分がタイトルを繰り返しながら盛り上がっていく所が一見ベタに思いますが、こういう曲をやってもまったくクサく ならず玄人っぽさが微塵も失われないのは相当の腕達者だからではないかと思います。とても印象的なリフレインなのにも関わらず、聴きながら歌うのが微妙に申し訳ない、それくらい渋い。 ハード・ロックでありながら、スワンプっぽい渋さを併せ持つ本当に『大人のロック』だったのです!! エンボス加工のジャケも大変凝っていて、そこもアナログ・レコードの極みだと思います。しかも、レコード番号がさりげなくデザインされて いるところも、なんともシビレるじゃぁありませんか。 この美しいジャケを眺めつつ、レコードをゆるゆると聴きながら、からすみやへしこなんかをつっつきつつ、チビチビと芋のロックを傾ける、 そんなカッコいいのかカッコ悪いのかよくわからん聴き方が理想です。定年退職したその日の夜に聴くレコードはコレにするぞと決めている一枚でもあります。(とりあえず今の所は、ですが…!) 夏から秋へ、ちょっとペースダウンしたいムードにもハマるアルバムは、これからが旬です。 - 4510057 NATIONAL HEAD BAND/Albert 1 → http://bit.ly/1tRJjVR (2014.08.30) |