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第210回 URIAH HEEP "Look At Yourself"

URIAH HEEP - "Look At Yourself"
1971 UK BRONZE ILPS9169
(Hard Rock)

RARE:

Member :

Ken Hensley(key,g,vo), Mick Box(g,vo), David Byron(vo),
Paul Newton(b), Ian Clarke(ds)


Side (A)
1. Look At Yourself
2. I Wanna Be Free
3. July Morning


Side (B)
1. Tears In My Eyes
2. Shadows Of Grief
3. What Should Be Done
4. Love Machine


今更改めて紹介するまでもなくハード・ロック・ファンにとっては必須および必修となっているこの作品は、ディープ・パープルDEEP PURPLE)、ブラック・サバスBLACK SABBATH)と並んでブリティッシュ・ヘヴィ・メタル御三家と呼ばれています。

ブリティッシュ・”ハード”・ロックとなるとレッド・ツェッペリンLED ZEPPELIN)も入ってくるのでどれが『本当の御三家か』っていう話題は難しくなりそうなので避けまして本題に行きたいと思います。

このアルバムは彼らの3枚目にあたるもので、『対自核』という全く意味不明な邦題と、ミラーのジャケットで一躍彼らをスターダムにのし上げた最高傑作です。ロック・ファンの間では昔から既に語り尽くされてはいますが、『対自核』って結局なんなんでしょう?

中学生の頃、先輩が紙に毛筆で『因縁』と書いてそれを凧にして凧揚げをしていたことがあり(今から思うととんでもない中学だな・・)、子供心にそれがモノ凄くカッコよく思え、『オレだったら対自核だな。』と密かに思ったものです。結局実現せず仕舞でしたが、このアルバムを見れば思い出すエピソードの一つです。

ちなみにその手のものとしては、もし私が将来習字の先生になったら、正月の書初めで子供たちに『原子心母』って書かせてやろうと目論んでいたのですが、それも実現せずでした。

すみません。本題に行くはずでした。

このタイトル・ナンバーA-1はやっぱりいつ聴いてもかっこいいですね。様式美なんて事がよく言われていましたが、様式美の意味はわからずとも、これはまさしく様式美。数あるドライヴィング・チューンの中でも最高に ドライヴしていると思います。

出だし1秒でのインパクトは、『ハードデイズ・ナイト』の出だしさえもKOしてしまうくらいの大迫力です。ケン・ヘンズレーゴッズGODS)や トー・ファットTOE FAT)とかでの下積み時代に苦労してきた甲斐があったっていうもんです。

世界的に大ヒットしているだけあって、どの曲もよく出来ていますが、やっぱり好きなのは月並みですが『7月の朝』です。出だしの静かな部分はまさに7月の朝って感じで、思わず朝顔の観察日記(双葉が出ました・・っていうアレです)でもつけてしまいそうな、夏の朝の感じが絶品。

この曲は後半に行くにつれ予想通りどんどん盛り上がっていくのですが、ラララの音程がどんどんあがっていくところなんぞはもう朝顔どころじゃなくなって、早く着替えんと遅刻するでしょ、みたいな慌しい朝に なっていきます。

しかしこのリフは印象的ですねえ。こういうのを朝一に聴くと一日中頭にリフが残ってしまって寝るまでとれなかったりします。

でも気になるのはやはり邦題。A-1にあんな複雑な邦題をつけておきながら、何故これは、こんなにもひねりがない邦題なのか、納得いかないトコロで はあります。


(2006.2.20)