第347回 ANDWELLAS DREAM - "Love And Poety" | |
1969 UK CBS S63673 (Psychedelic Rock) | |
RARE度:★★★★★★★ | |
Member : David Lewis(g,key,vo), Nigel Smith(b,vo), Gordon Barton(ds) |
|
Side (A) 1. The Days Grew Longer For love 2. Sunday 3. Lost A Number, Found A King 4. Men Without A Name 5. Clockwork Man 6. Cocaine |
Side (B) 1. Shades Of Grey 2. High On A Mountain 3. Andwella 4. Midday Sun 5. Take My Road 6. Felix 7. Goodbye |
UKスワンプの中では、もっとも渋いところに位置し、その2ndピープルズ・ピープル(People's People)という名盤の誉れ高い一枚を残していることで有名な、アンドウェラ(ANDWELLA)の前身バンドにあたります。 完成度、洗練度というポイントでは、後期のアンドウェラには一歩も二歩も譲るところですが、当時のバンドにはありがちな、デビュー アルバム独特の混沌さや不安定な雰囲気は、何とも言えずソソルものがあり、サイケデリック、ビート、プログレ系のロック・ファンをも唸らせるであろう爆発力が魅力です。 例えば、初めてイタリア料理に挑戦しようと思って、あらゆる所から贅沢な食材を取り寄せて、勢いで作ってみたら、エッジがたっていて もう二度と作れない味ができてしまいました・・、って感じ。翻ってアンドウェラ方は、一回食べたときのインパクトには欠けるが、 毎日食べても食べ飽きない練りに練られた作り、そんな感じです。 (わかりにくいですか?) それに何といってもやはり60年代。 確かにリリースは69年ですから70年代に片足をかけているくらいですが、実はこの差が大きく、ペナントレースの1位と2位、ウィンブルドンの 優勝と準優勝、はたまた幼稚園の年長さんと年中さん(これ結構違いますよね!)・・・と、それくらいの差があると思います。 よって1年の差ではありますが、これはきっちり60年代の音です。 ガン(GUN)やゴッズ(GODS)のような甘酸っぱくも激しく、その頃聴いていた訳でもないのに何故か素朴な懐かしさ漂い、それでいて スモール・フェイセスやフーのような王道的な香りは感じない、この中途半端さ(失礼な!)に加え、決して「古めかしい」サウンドで はないのが、稀有の名盤といわれる所以なのかもしれません。 全体的には小曲集なのですが、いろんなものが玉手箱のように詰め込まれていて、本当に楽しい作品です。A-1での静かな冒頭の出だしから 一気に昇りつめるところは、すわ鵯越(ひよどりごえ)か!?といった高揚感が半端じゃなく、ここはすべてのロック・ファンがこぶしを 振り上げること間違いなしです。 さらに、名盤の証しとしての一端を担っているのがジャケットです。飾るだけで部屋のムードが一転!抜群の雰囲気でインパクトも大きく、 こういうジャケに包まれたレコードが新譜として店頭に並んでいた時代を想像するだけでワクワクです。 英国ロックの幻を追い続けて深い森に迷い込んだ人が最終局面で辿り着く一枚とも言われていますが、大袈裟すぎない親しみやすさもこの アルバムの特徴で、カフェやその他ショップ等で流れていたら最新サウンドよりセンスアップしそうな気もします。 レア盤ではありますが、ショップ・オーナーさん達にもご検討頂いて、 広く一般の人の耳にもお届けしたい一枚でもあります。 商品詳細→ http://bit.ly/1bBR8o4 (2013.10.30) |