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第323回 RAW MATERIAL "Time Is..." |
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RAW MATERIAL - Time Is... |
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RARE度:★★★★★★ |
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Member : |
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Colin Catt (vo, key), Mike Fletcher (sax, flute, vo),
Dave Green (guitar), Phil Gunn (bass, guitar),
Paul Young (percussion)
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Side (B) |
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ずばり『原材料』というユニークな名前のバンドの2ndアルバム。 EVOLUTIONというマニアックなレーベルから発表した1stのオリジナル盤は ギガ・レアですが、コレクタブル・レーベルのNEONからリリースのこの 2ndも、優るとも劣らずのレア盤となっています。 この当時において、弱小&マニアック・レーベルから2枚も発表している というのは、想像通り音楽性は群を抜いていると思います。 音楽的にはフォーク基調ながら実はブラスが大々的に活躍します。 メジャーなところでいうとジェスロ・タル(JETHRO TULL)、マイナー どころではニドロログ(GNIDROLOG)からインディアン・サマー(INDIAN SUMMER)的要素を幅広く持ち合わせいる感じでしょうか。 リズム・セクションはヘヴィで、フルートも全開、メリハリはグンパツで 切れ味もよく、静かな部分はピアノ等も登場、ユーロ・ロック的で 破天荒で叙情的な部分は心に響く系の歌メロです。しかし、所謂ユーロ・ ロックと圧倒的に異なるのが、このバンドがブリティッシュだという 所でしょうか。ウェットと申しますか、トン・トン・マクート (TONTON MACOUTE)を超える、英国独特のくすみ感、荒涼とした感じの サウンドが独特なのです。ヒースクリフも真っ青です。 それでも全体的にはNEONの肉汁がぎゅ〜っと詰まった、思わず拳を 振り回しそうな、もとい握りしめてしまうような、旨味はタップリ。 完璧な曲構成で、捨て曲無しで引き締まったA面はある意味正攻法ですが、 B面の始まりは、少し奇妙なリフの変なユニゾンが奥深く、ドラムスが 独特の音色のやわらかさが最高です。このあたりは、インディアン・ サマーの良い部分をぎゅっと絞って拳を(くどいですか・・・)。 ヴォーカルはやたら艶やかでこれも不思議と耳にやさしく、二日酔い 明けでも十分食べれる『おかゆ』のような耳障りのよさなので、 曇天の憂鬱な日に聴くのもいい感じです。 B-2は、これまたなんと不思議な曲展開で、そうです、このイントロは 北欧はスウェーデンのノーベンバー(NOVEMBER)の曲によく似ています。 次から次へと変幻自在に繰り出される多様な音楽性は、かの忍者イカと 言われたハナイカのようです。続くB-3で途中に挟むアコースティックな 展開もたまりません!! このアルバム、本当に内容が良くて大好きなのですが、実は、私のような 一般人には、意味不明のだと思えるのがジャケット。あのキーフが デザインしたという『爆発する砂時計』は、化学実験室の3コマ漫画 ちっくでコ難しくもあり、とても『ジャケ買い』系の購買意欲を そそるとは思えないのです。 が、しかし、レコードを聴いた後で改めて眺めるとやたら有難く ググッとくるので不思議です。 残念ながらこの2ndで終わるこのグループ、持っている『原材料』を 全部出し切ったかの如くの充実の一枚です。 (2011.09.30) |