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第306回 PINK FAIRIES "What A Bunch Of Sweeties" |
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PINK FAIRIES - "What A Bunch Of Sweeties" |
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RARE度:★★ |
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Member : |
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Paul Rudolph(g,vo), Duncan Sanderson(b,vo), |
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Side (B) |
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これぞまさしく70年代英国アンダーグラウンドの底力! ピンク・フェアリーズと言えば、奇人トゥインク(Twink)の在籍していた1stアルバムや、パンク・ロックの原点ともいえるハード・ロックの名作 3rdが有名ですが、ファンは絶対この2ndだと思います。 訳のわからない漫画やパロディ満載のジャケットに負けず劣らず、内容も相当ふざけたものですが、裏打ちされた音楽性が素晴らしく、八方破れ ながらも完成度が高いという不思議な作品でもあります。 出だしの「ぷるーりん、ぷるーりん」というふざけた電話のベル音と会話で 幕を開けるA-1でまずはその屈折ぶりを繰り広げます。ドラムスは ドコドコ、ドタバタな上に変なブレイクも入る摩訶不思議な魅力に満ち 溢れたナンバーで、尋常なテンションではありません。 この雰囲気と70年代の香りは、ちょっとやそっとではコピーもできない ものの一つで、アンバランスのバランス、不整合の整合、そんな彼らを 代表する名曲だと私は思います。 JBLの43なんとかかんとかとかいう大型スピーカーを持っている友人宅で この曲を大音響で聴かせてもらったのですが、70年代の英国パワーを 叩きつけられ圧倒され、『す、凄すぎる…』という以外に言葉が 見つかりませんでした。 B面ではベンチャーズとビートルズのカバー曲を演っているのですが、 圧巻はベンチャーズの方で、最初のギターの一音目のインパクトは、 味が濃すぎて食べられないつけ麺のスープをそのままゴクゴクと飲み 干すかのような極太濃口。 その後に続くアップテンポなところにも歪みのギターがかぶさって くるので、こちらもフツウではいられません。とにかく、めちゃめちゃ カッコイイのです。あの有名なギターソロのフレーズも、これを聴いて 初めて私はベンチャーズの曲が好きになりました・・・。 カバーを2曲含んでいるとは言え、アルバム全体を通して聴くと改めて 曲の良さにも驚きます。元日本ハム、元メジャーリーガーの新庄剛の プレイのように、単にふざけているだけではない、その「おふざけ」も 実力を伴っている、いわば、本物のロック・アルバムです。 ロック好きの仲間と集まったはいいが、クルマで来たのでやむなく 紅茶でもすすって土曜の昼下がりを過ごす事になったとしても、存分に 楽しめる内容の一枚です。 (2010.03.30) |