第72回 PINK FAIRIES "Kings Of Oblivion" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Larry Wallis(g,vo), Duncan Sanderson(b,vo), Russell(ds) |
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Side (A) |
Side (B) |
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70年代のブリティッシュハードロックを語る(ってほどかっこいいもんじゃないですが)時、ノッティングヒルゲイトを中心として活動していたヒッピー関係の方々には忘れてはならない存在です。
ノッティングヒルゲイトというのは、ロンドンの中心地からそれほど遠くないところにある地名のことなのですが、70年代にはこの地を中心に活動するミュージシャンが一大ムーヴメントを形成していたようで、今でも中古レコード屋さんが軒を連ねており、そんな名残を感じさせてくれます。
日本で言うと西新宿というよりもむしろ原宿の竹の子族(古いな..)みたいなもんでしょうか。
当時のヒッピーの方々というのは基本的にはクスリ(カタカナで書くのがコツです)をやっていますから、サイケデリックな音楽を特に好んでいた傾向があります。
サイケデリックなものでも本当にサイケなものは反復ばっかりでちょっと辛いものがありますが、ハードロックとサイケの中間のようなこのPINK FAIRIESなんかは、ヒッピーを代表する名グループといってもいいんではないでしょうか。
1stアルバムにはあの怪人TWINK(絶対芸名!)も参加していて、かなりサイケ寄りですが、アルバムを発表する毎に本格的なハードロックを演るようになり、この3rdアルバムは最もハード色の強い彼らの最高傑作と言ってもいい内容です。
余談ですが、裏ジャケの担当楽器欄を見ると、ギタリストのLarry Wallisの所に「Lead Guitar」と他に「Big Guitar」とも記載されているんですが、この、「Big
Guitar」って一体何なんすかね? オーボエみたいなもん(しょーもな)なんでしょうか。ヒッピー用語でそんなんがあるんですかも知れないと、思うのですが。(知っている方がいらっしゃったら教えて下さい。)
で、その内容はというと!A-1からいきなり迫力満点です。こんなパワフルな曲がかつてあっただろうか!?(キャッチコピーみたいですみません)
ブリティッシュハードロックというのは重さ/暗さを身上としているのですが、この曲に代表されるようにこのアルバムには全体的になんとも言えない開放的な明るさが漂っています。
とは言っても、決して軽い訳ではなく、じゃあ暗くないのかといえばそうでもない、戦車が全力で走り抜けるような明るい暗さなんです。(全然意味わからん)
何はともあれ、ドライブする時、最初に聴くのにはうってつけです。
そして2曲目。これまた名曲で、開放的なギターがよく歌い始めると、突然スネアの連打。
このスネアの連打は、試合を終えたスポーツ選手が銭湯で20人くらい束になって、たらいを叩きつけているような迫力があり、昔どこかで見た前衛的な劇「奴婢訓」(誰もわからんって)の出だしのようなパワーを感じます。
B面もこの強力でパワフルな(意味一緒でしたね)路線で押しまくりますので、ハード系の方は本当に安心して聴き進んでいくことができます。
ジャケットが可愛らしいので損をしている部分がありますが、眼をつぶって真っ白な心で聴いたらGROUNDHOGSあたりにも十分比肩できるパワーロックトリオの名作といっても良いと思います。
この路線で言ったら次にはもっとヘヴィーでグレイトなアルバムになっていたんでしょうが、残念ながらこのアルバムが最後となってしまいました。(そんなもんですよね)