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第279回 BLACK CAT BONES "Barbed Wire Sandwich" |
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BLACK CAT BONES - "Barbed Wire Sandwich" |
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RARE度:★★★★★ |
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Member : |
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Rod Price(g,vo), Phil Lenoir(ds), |
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Side (B) |
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元フリーのメンバーが在籍していたことで有名な、ブリティッシュ・ ヘヴィー・ブルースの名バンドです。ただ、このアルバムにはフリーの メンバーは参加していません。 誰がつけたか直訳か、『有刺鉄線サンドウィッチ』とういうおどろ おどろしい邦題に、まず軽くインパクトを受けはしますが、この タイトルが『悪魔の毒毒モンスター』とかそんなB級映画を連想し、つい アルバムの内容自体もB級をイメージしていたら、ところがどっこい! 『タイトルちょっと違うよ〜!』と思わず口惜しくなってしまう位の 出来なのです。 ヘヴィ・ブルース・ロックのアルバムは世にあれども、このアルバムに 勝てるヘヴィ・ブルースというのはそうそう見当たるものではありません。 切れ味という点ではもっとすごい作品は他にもありますが、『重さ』と 『にごり』ではこれが一番です。 とにかく全般にわたってにごりまくっています。音色は極太。ギターも、 ベースも、ヴォーカルも。ジャケの怪獣(?)も。 特にひいてしまうのが、A-1のイントロのギターで、この太いことと 言ったらどうですか!?そしておきまりのミドルテンポを刻みだすと、 もうすでに彼らの独壇場で、今日はブルースなんて聴かないから、と、 どんなに頑張ってはいても、ヒクソン道場に殴りこんだ安生洋二です。 つまり絶対勝ち目なしなのです。 しかしそれにしてもこのブルース・ギターは凄い。 暗闇をのたうちまわるアナコンダのようです。ところどころで聴かれる 高い音色の部分はツェッペリンの初期のような雰囲気です。フリーで 有名なれど、フリーより全然重たいサウンドです。A-1はエンディングに 至っても、テイストの1stやジェフ・ベック・グループの1st顔負けの 傍若無人さです。 続くA-2も負けていません。またしてもミドルテンポですが、A-1で既に 参っているので、私などは、かすっただけで簡単にダウンです。前曲に 輪をかけてゆったりと、そして深く重い。まぶたも重い・・・。(?) そしてギター・ソロはツェッペリンの『貴方を愛し続けて(Sincs I've Been Loving You)』のMSGライヴのように扇情的で挑発的です。 1分も聴くと濃いアルコール(スピリッツ系)なしでは生きてゆけなく なります。 ジャケットのデザインもまた相当の濃い味で、こういう場合はジャケット とは対照的に、音は爽やか〜、というパターンが多いなか、本作は全く ジャケットを裏切りません。 余談ですが、このレコードもプレスの違いがハッキリしている一枚で、 英国盤の迫力が米盤では落ちているのが残念です。『重み』が違うので、 『凄み』が伝ってこないのです。未体験の方には是非一度、英国 オリジナル盤ならではの重量感を味わって頂きたいと思います。 尚、フランス盤はジャケットの怪獣が逆を向いています。 (2008.02.29) |