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第147回 FREE "Fire And Water" |
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FREE - "Fire And Water" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Paul Rodgersl(vo), Paul Kossof(g), |
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Side (B) |
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ブリティッシュ名ヴォーカリストの5指に入るといわれているポール・ ロジャースと、ブリティッシュロック史上最も個性的な音色を奏でる 孤高のギタリスト、ポール・コゾフを擁する伝説のグループ。 今から20年くらい前、ユニーの1階のレコード屋でお店の人に 薦められて聴いたのが名曲『ファイアー・アンド・ウォーター』でした。 こんな風に書くと西新宿のそれ系の中古レコード屋みたいなのを連想され るかもしれませんが、実は松田聖子のポスターが貼ってある、ツタヤ みたいな超フツウのお店で、今から思えば、そんなんかけてた店員って 随分根性があったのか、彼にとってはこの曲も松田聖子並だったのか・・。 他にはブラインド・フェイスとかアル・クーパーの『フィルモアの奇蹟』 なんかも聴かせてもらいましたっけ。 そんな話はさておいて、フリーといえば『オール・ライト・ナウ』が有名 ですが、私的にはこのアルバムの冒頭に収録されている『ファイアー・ アンド・ウォーター』が一番好きで、特にポール・コゾフの名を 世界中に知らしめた必殺のギターソロは卒倒必至。 弾いてから泣くのではなく、泣いてから弾くと言われているこの独特の スタイルはあまり他に例がなく、真夏の夜寝ているところに遠くから やぶ蚊が近寄ってくるようにじわじわとソロが始まり、そこから幾十も ニスを塗り重ねていくように泣きが重ねられていく展開で、好きな人には 本当にたまらない世界です、これは。 フリー時代のこの人のギターソロを映像でみたことがあるのですが、この 人、ソロの時に口をカアーッと開けた鬼気迫る表情でギター弾くんですよ。 知らないでみると(ってどんな状況か不明ですが?)まるで口から音を 出しているような感じで、これがあの泣きの音色を出すコツなのか、 それともそんなにまで力が入っているのか、はたまたドラッグの摂取量が 多すぎてつらかっただけなのか、今となってはさだかでありませんが、 でもそれが不思議とかっこいいんですよね。 それからB-1。この曲はポール・コゾフのギターとアンディ・フレイザーの ベースが真正面から向き合ってタイマンを張る間奏部分が凄まじく、 フレイザーのベースラインもかなり個性的です。 この頃この人確か10代だったんじゃないかと思いますが、そう思うと すごいっすね。この人のベースって1ヶ所にじっとしていられないような こうもりが空を自由に舞っているような不思議な演奏で、そのバックを 『オレはテクニカルには走らないぜ。』とばかりに男気満点のサイモン・ カークのドラムスがたんたんと進行していきます。 ポール・ロジャースはフリーの後、栄光のバッド・カンパニーを結成し、 そこではフリーからは考えられないくらい派手でメロディアスで豪快な 作品を披露しています。 若いブリティッシュロックファンにとってはバッド・カンパニーの方が かっこよくて聴きやすく感じるかもしれませんが、10年単位で聴きこむと 断然フリーの方がよくなってくるんですよね。不思議と。 (2004.04.10) |