第16回
TASTE
"Same Title"
TASTE - "Same Title" 1969 UK POLYDOR 583 042 (Heavy Blues Rock) RARE度: ★★ |
Member : | Rory Gallagher(g,vo), Richard McCracken(b),
John Wilson(ds) |
Side (A) 1. Blister On The Moon 2. Leaving Blues 3. Sugar Mama 4. Hail 5. Born On The Wrong Side Of Time |
Side (B) 1. Dual Carriageway Pain 2. Same Old Story 3. Catfish 4. I'm Moving On |
皆さんはブリティッシュブルースは好きですか?
ブリティッシュブルースと一口で言っても様々なのですが、このTASTEはZEPPELINの初期に近い内容のヘヴィな部類に属しています。
ブルース系のハードロックというと、CHICKEN SHACK、SAVOY BROWN等の有名どころからBAKERLOO、BLACK CAT BONES等のマイナー系あたりがハードロック寄りとして有名ですが、ヘヴィさという意味ではこのTASTEも負けてはいません。
中心人物のRORY GALLAGHERの異常に手数の多いギターがとても熱く、ワイルドこの上ない熱気に包まれており、このレコードをかけていると、ターンテーブルから汗が飛び散ってきます。(うそです)
グループ編成は当時流行りのトリオなのですが、リズム隊もギターに負けじとかなり気合が入っています(JIMI HENDRIX EXPERIENCEと良く似た状況です)ので手応え充分です。
こういう向こう見ずな勢いだけでアルバム1枚を聴かせてしまうところが、如何にも70年代(実際には69年ですが)という感じです。
プログレがどうとか完成度がどうとかいう言葉など何の意味も持たなくなってしまう、所謂『生のロック』の凄さを思い知らされずにはいられません。
野性味溢れたギターが泣き叫ぶA−1、ギターに負けないくらいワイルドなヴォーカルが荒っぽいブルースの名曲A−3、シングルカットされたA−5が特に気に入っていますが、皆さんに是非聴いて頂きたいのがB−2です。
この曲のリフは、面白いことに昔日本で流行った『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』という曲のイントロの台詞をしゃべる部分に驚くほどそっくりなのです。(こっちの方がかっこいいと思いますが)
でも結局、曲の後半になると例のギターが切りこんできて好き放題といった感じになります。
この勢いのまま2NDを出していれば言い古された言葉ですが『ZEPPELINも真っ青』だったのでしょうが、残念ながら随分大人しくなってしまいました。
ただRORY GALLAGHERのその後のソロ作品には、このTASTEを思わせるような良質な作品もありますので、このアルバムが気に入った人はそっちの方も聴いて見てください。(いずれ紹介する予定です)