BACK TO HOME | ||
第262回 ASIA "Same Title" |
||
ASIA - "Same Title" |
||
RARE度:★ |
||
Member : |
||
Geoffrey Downes(key), Steve Howe(g,vo), |
||
|
Side (B) |
|
産業ロックの代表格としてロック・ファンからは斜めに見られ続けてきた微妙な立ち位置のバンドです。 『産業ロック』という言葉は、音楽雑誌『ロッキング・オン』の元編集長、渋谷陽一氏によって命名された言葉で、当時のラジオ番組なんかでもこの手のグループを槍玉にあげるときによく使われていました。 そんな『産業ロック』の中でも、私が一番よく覚えているのが、エイジア の2ndに収録されている『ドント・クライ(Don't Cry)』で、この曲は 当時高校生だった私にさえ、なるほどこれは産業ロックだ、と思われて いた程で、売るためだけに作られると、いかに『ロック』とは言え、 こんな風になってしまうんだと妙に納得していました。ジャーニーの 『セパレイト・ウェイズ』も同じくです。 渋谷さんがこれをオンエアする時に『いやあ〜産業ロックですね。 もうここまでくるとハンバーガーと同じですね〜』と言ったのを聞き、思わず噴き出した覚えがあります。 さて、今回御紹介するのはそんな産業ロックの雄(!?)、エイジアの 1stアルバムです。 恥ずかしながら、私自身は、当時、あまり状況を理解していなかった のですが、このグループはメンバーが凄いのです。元ELP+元イエス+ 元クリムゾン+元バグルスという凄まじいラインナップで、もう ブラインド・フェイス(BLIND FAITH)状態です。それを知った上で 聴いていたら、小心ものの私はすっかり名前負けしてしまって、もっと かしこまって聴いていたに違いありません。知っていた方が良かったのか、知らなかった方が良かったのか。 1982年というとそれだけで『最近』扱いされて、70年代ロック・ファンのスコープからは完全に外れてしまいますが、もう四半世紀も前のこと なんですね・・。CDが初めてプレスされた年と聞くと、いかに昔かってことがよくわかります。 ところが、改めて聴いてみると意外といいんです。コレ!(こらっ!) のっけのヒート・オブ・ザ・モーメントはベタ過ぎてちょっと顔が赤らんでしまいますが、続くA-2は、やっぱり最強です。邦題『時への ロマン』。かっちょいいー!もうこれにつきますね、この作品は。 ジャケを彷彿とさせる海のかなたから奏でられる大袈裟なキーボードの調べ、とさりげない裏ドラムス。さすが、元アトミック・ ルースター(ATOMIC ROOSTER)。カール・パーマーだと思って聴けば鼻血です。 それから、このサビの歌メロはどうでしょう。アルフィーの『星空のディスタンス』のような勇気みなぎるもので、落ち込んだらコレです。 まさにカーステ、カラオケにぴったり。みんなで歌おう『ユッ・リーヴィン・ナウ!』 80年代近辺のプログレとしてはUKなんていうグループもありましたが、中途半端にそっちを聴くよりも個人的にはこっちが好きです。 (2007.08.20) |