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第169回 ATOMIC ROOSTER "Same Title" |
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ATOMIC ROOSTER - "Same Title" |
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RARE度:★★★★★ |
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Member : |
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Nick Graham(b,vo), Vincent Crane(key), |
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Side (B) |
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ブリティッシュ・ハード・ロックを語る上で外してはならないグループ、アトミック・ルースター(ATOMIC ROOSTER)。 たった3人で結成されたこのグループは、ブリティッシュ・ロック界でさまざまなグループとかかわりを持っており、ブリティッシュ・アンダーグラウンドの源流のようなグループで、彼らに関連するアーチスト達は 『アトミック・ルースター・ファミリー』と呼ばれ、少なくとも私の仲間内(ってちょっと小さな世界か)ではかなり恐れられた存在でした。 もとクレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン(CRAZY WORLD OF ARTHUR BROWN)のメンバーだったヴィンセント・クレイン(Vincent Crane)と後にELPを結成するカール・パーマー(Carl Palmer)が 参加していることでも知られているこのアルバムは、彼らのデビュー作にあたります。 アーサー・ブラウンのバンド在籍時にオルガン・ヘヴィー・ロックという新しい音楽を確立させたクレインのプレイがこのグループの核となっていますが、ニック・グラハム(Nick Graham)のプライドの高そうな ヴォーカルもまた他では聴けないような魅力的な歌声で、独特の雰囲気を醸し出しています。 オルガン・ロックの名作というとELPの1st、ベガーズ・オペラ(BEGGARS OPERA)の1st、クォーターマス(QUATERMASS)などが思い浮かびますが、オルガン・ロックで一枚選べと言われたら、私は躊躇することなくこの一枚をあげたいと思います。 アンドロメダ(ANDROMEDA)のジョン・カン(John Cann)を迎えて発表するさらにヘヴィな2ndに比べると、ハードな部分はやや影を潜めていますが、その分聴けば聴くほどに良さが伝わってくるまさに幻の名盤。 雨の降る秋の夜長にしっとりと聴くにはまさにうってつけの一枚で、30歳を過ぎた大人の方々にこそ是非聴いて頂きたい作品です。 ただし、このアルバムでは実は気をつけなければならない重要なポイントがあります。今から言いますので、メモの用意をしてください。 実はこの作品、ギターレス・バージョンとギター入りバージョンの2種類が存在しているのです。私の友人曰く、『ギター入りで一枚録音した後にギタリストが逃げたので、ギター入りが1stプレスだ。』と。しかし 録音したマスターまで持って逃げたのかというとちょっと疑問の残るところです。では後でギタリストを入れてギター入りバージョンを作ったのかというとそれもなんだか怪しい話ですね。 ただ私の経験ではギター入りの方が先に発表されて、その後ギターなしというのが正しいのではないかと思います。まあ、いずれにしてもはっきりしたことはわかりません!あ、メモを用意された方、まあ席を 立たないで最後まで聞いて下さい。 どっちが先か、なんてのははっきり言ってどうでもいい話で、肝心の内容はどうかというと断然ギターレスの方が良いんです。ギターが入っている方はちょっと耳うるさい感じがするのに対し、ギターレスは 実に奥ゆかしい内容。 先に申し上げた秋の夜長に聴くのにうってつけなのはギターレスの方です。是非みなさんギターレス・バージョンを聴きましょう。 それでその見分け方なんですが・・、それが、私にはよくわからないのであります・・・。すみません。メモを用意された方、そこには、必聴!とだけご記入いただければ十分かと思います。でも知っている方が いらっしゃったら教えてください。 (2004.11.30) |