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第257回 RAG I RYGGEN "Same Title" |
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RAG I RYGGEN - "Same Title" |
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RARE度:★★★★★★★★ |
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Member : |
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Jonas Warnerbring(vo), Christer Sjoborg(ky), |
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Side (B) |
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素晴らしいジャケット・デザインが印象的な、アント・マリー (AUNT MARY)、ノーべェンバー(NOVEMBER)らと並んで北欧ハード・ ロック界を代表するグループの唯一のアルバムです。 この最初で最後の一枚は、マニアの間でも長らくコレクターズ・アイテム として語り継がれてきたもので、2台のギターとヒープ(URIAH HEEP)ばり のハモンド、そして哀愁ただよう男の魅力ヴォーカルが一体となって ただならぬ作品に仕上がってしまいました。 A-1ののっけから過激に展開するワウワウギターとキーボードの ドライヴィンがもう期待十分です。不思議な響きのスウェーデン語の ヴォーカルが雰囲気を盛り上げ、曲の出来がいいので、武者震いする程、 カッコよく展開していきます。 そしていきなりのブレイク。 イタリアのビリエット(BIGLIETTO PER L'INFERNO)やジェット(JET)を 思い出させる曲展開に、ストレイ(STRAY)のカッコよさを混ぜたような 内容で、この手の音が好きな人には堪えられません。イギリスがブッちぎっていたこの時期において、北欧にこんなに水準の高い一級品が あったとは驚きです。 続くA-2の出だしも大変で、ヴォーカルのアカペラなイントロに導かれて、 コーラスとワウワウが乱入してきたかと思うと、今度は縦ノリのリフの ミドルテンポです。五臓六腑にしみわたります。更にいきなりやってくる ハモンドのヒープ風ソロも鳥肌です。 その鳥肌が寝たかと思う間もなく独特のアレンジで解釈された北欧民謡の A-3出だしでまた鳥肌。シン・リジー(THIN LIZZY)のブラック・ローズ (Black Rose)のようによく歌うギターがまたいいのです。 A面とは若干雰囲気が異なるB面は、日本のパンタのようなノリを要所で ちらっと見せながらソロ中心に展開していきます。中でもB-1のギターが 特に好きです。 しかし、ギターとオルガンのバランスが絶妙ですね。裏側に哀愁を 秘めながらも表面的にはあくまで荒々しく猛り狂うところが男の生き様と いう感じで好感がもてます。といいながらも時々叙情があふれ出てきて しまうところも聴くものを飽きさせません。 うまいとか下手とかではなく、このアルバムは本当にカッコいいと思い ます。ロックというのは本来カッコよくなければならないということを 改めて思い起こさせてくれる作品です。 若者から年寄りまで幅広くしびれさせてくれる、北欧ヘヴィーの 最高峰と言っても過言ではありません。 (2007.06.30) |