第81回 NOVEMBER "6:e" |
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NOVEMBER - "6:e" |
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RARE度:★★★★★ |
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Member : |
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Christer Stalbrandt(b,vo), Richard Rolf(g), Bjorn Inge(ds) |
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Side (A) |
Side (B) |
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このNOVEMBERというグループは北欧スウェーデンのハードロックトリオ。彼らは合計3枚のアルバムを発表しているのですが、そのどれも大変出来が良く、ハードロックファンにとっては全てがマストアイテムと言って良いでしょう。
とてもデビュー作とは思えない貫禄を感じさせる1stアルバムや重厚この上ない2ndも必聴ですが、全体的なまとまりとジャケットの美しさから、個人的には本作3rdアルバムが最高だと思います。このアルバムのジャケットにはグスタクアドルフが描かれていると、ものの本には書いてありましたが、ヨーロッパの美術館で見かけるような素晴らしいジャケットは飾ってしまいたくなる衝動に駆られます。しかも見開きの上にエンボスカバーとくればもう..、しくしくしく。(うれし泣き)
キーフやヒプノシスのジャケットとともに後世に残したいカバーアートです。
実はこのレコードにも入手した時の苦い思い出があるんです。(あ、時間の無い方、パスして下さい。)
これを中古レコード店で見つけた時、ちょうど持ち合わせがなく、銀行のATMも終っているような時間だったので、お店の人に頼んで一週間の取り置きをしてもらいました。
そして翌週。前回取り置きを頼んだ人とは別の店員がいて、お店には全く別のハードロックが流れていました。今となってはそれが何だったのかはさっぱり覚えていないのですが、少し興味を持ったのでしょうか、ついつい店員に「今、かかっているのなんすか?」と聞いてしまったのです。
これが悲劇の始まりでした。「これ、北欧のハードロックグループで××っていうんです。」と言ってジャケットまで見せてくれた所まではとても良い人だったのに、その後の一言が凄くって、なんと「NOVEMBERなんかよりは全然いいよね。あんなの名前だけだもんね。」と言いやがったんです!本当は取り置きのレコードだけ引き取ってさっと帰るつもりだったのが、この一言でそうもいかなくなってしまい、だらだら同じエサ箱を漁るふりをしたりしていたのですが、そいつが交代する気配もなく、だんだん閉店時間もせまってきたため、仕方なくレジに向かい、思いきって「すいません。先週取り置きしてもらったレコードがあるんですが..」、「あっそうっすか。なんのレコードですか?」、(一息ついて)「ノノノォオオベンバァアアアーーーです!!!」(←頭の中真っ白)、「...」
暫く時間が止まっていたような気がします。気がついたら、山手線に乗っていました。(お金を払ったことも覚えていません)
レコードだけは知らない人の前でけなすものではないという教訓を得ました。
さて、話がかなりそれましたが、このグループのギタリストのRichard Rolf(リヒャルトロルフ)という人の奏でるギターの音色がまたとても個性的で、TASTEのヘヴィーさはそのままにもっとまろやかに仕上げてみました、みたいな感じで、ギターハードロックが好きな人には特にお薦めのグループです。このギタリストは見た目レイフギャレット似(知ってますか?)なのに、見ると聴くとじゃ大違いです。
アルバムの構成としては、ハードな曲とバラードが交互に配置されていて、バラードの出来もとてもよく、非常によく練られているなという印象を受けます。
かの店員には「名前だけ」と言われてしまったアルバムではありますが、長年聴いた今となっては全然そんなことないですし、かなりの水準のハードロックアルバムだと思います。