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第259回 METAMORFOSI  "Inferno"

METAMORFOSI - "Inferno"
1972 ITALY VEDETTE VPA8162
(Progressive Rock)

RARE:★★★★★★★★

Member :

Davide "JIMMY" Spitaleri(vo,flute), Enrico Olivieri(key),
Roberto Turbitosi(b), Mario Natali(ds),
Luciano Tamburro(g)


Side (A)
1. Introduzione
2. Selva Oscura
3. Porta Dell'Inferno
4. Caronte
5. Spacciatore Di Droga
6. Terremoto
7. Limbo
8. Lussuriosi
9. Avari


Side (B)
1. Violenti
2. Malebolge
3. Sfruttatori
4. Razzisti
5. Fossa Dei Giganti
6. Lucifero (Politicanti)
7. Coclusione



日本のプログレ・ファンに発掘されるまでは殆ど陽の目を見ることが なかった、イタリアン・プログレの幻の作品です。

70年代に2枚のアルバムを発表しているのですが、1stアルバムより更に レア度/内容ともに上を行くこの2ndアルバムは、地味で前衛的な ジャケットからは想像もつかないくらい豊富なアイデアに満ちており、 1stでコケた人もこの2ndならいけると思います。

音的にはプログレ音迷宮のバンコ(BANCO DEL MUTUO SOCCORSO)の2ndと ビリエット・ペル・インフェルノ(BIGLIETTO PER’INFERNO)のB面を 思わせるような鍵盤万華鏡で、1、2回聴いたくらいではつかみどころの ない緻密な展開には舌を巻かざるを得ません。

急カーブキーボードあり、フルートのウェットな調べあり、シンセの 迫撃砲もありで、歴戦のプログレ・ファンであっても全面降伏間違い 無しです。

それでいて、プログレの中でも『ヘヴィ・プログレ』に入るサウンドは、 ハード系の方にも対応しておりますよ、と言わんばかりで、特にドラムス がハード・ロック系のソレなので、ハード・ロックファンでも十分 満足でき得るのではないでしょうか。

更に、女性プログレ・ファンのあなた!

このグループのサウンドを特徴づけている貫禄十分のヴォーカルが、 デスラー総統(『ヤマトの諸君・・』ってやつ)張りに異常にジェントル なので、きっとメロメロ(?)にされちゃう事と思います。(?)

曲目だけを見れば小曲集ですが、その構成はムゼオ・ルーゼンバッハ (MUSEO ROSENBACH)的なトータル・コンセプトもので、単に演奏水準が カッコイイだけでなく、イタリアン・プログレの真骨頂もきっちり 受け継いでいます。予測不能な展開に心拍数は上がりっぱなしです。

今更ながら、こんな作品ってどうやって作曲したんだろう?と単純に 思いますね。その上、発売当時は全く話題にならなかった作品が、 日本人の注目により再評価されるとは・・!

感動に次ぐ感動の一枚です。


(2007.07.20)