第350回 MOTORHEAD "Ace Of Spades" | |
1980 UK BRONZE BRON531 (Hard Rock) | |
RARE度:★ | |
Member : Lemmy Kilmister (b,vo), Eddie Clarke(g), Phil Taylor(ds) |
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Side (A) 1. Ace Of Spades 2. Love Me Like A Reptile 3. Shoot You In The Back 4. Live To Win 5. Fast And Loose 6. (We Are) The Road Crew |
Side (B) 1. Fire, Fire 2. Jailbait 3. Dance 4. Bite The Bullet 5. The Chase Is Better Than Catch 6. The Hammer |
ブリティッシュ・メタルの極道、もとい王道、モーターヘッドの5作目。 モーターヘッドというとレミーという類稀なる野獣を擁している名物グループで、オーバー・キル等の凄まじい作品もありますが、この作品も代表作のひとつと言って良いのではないでしょうか。 80年というとNWOBHMが全盛期を迎えていた頃で、アイアン・メイデン(IRON MAIDEN)、ジューダス・プリースト(JUDAS PRIEST)等あまたのヘヴィ・メタ・バンドが跋扈していた時代です。 もちろん当時はNWOBHMという言葉すら知りませんでしたが、このムーブメントは、80年代半ば続き、高校時代はクラス中ヘヴィメタ・ファンだらけ、という感じでした。そんなヘヴィメタファンの同級生たち曰く、 最も狂暴・凶悪・極悪なのがこのモーター・ヘッドだと。 そんな中でレインボウ(RAINBOW)最高!と言っている私は、「ヘヴィメタが好き」かと言うとやや微妙な立ち位置にあったと思います。 よってモーターヘッドも食わず嫌いでいた感があった事は認めます。レインボウ等の様式美系に陶酔していた私には、このダミ声はちょっとひいてしまうところがあったのかな、と分析もしてはいます。 ところが!です。 モーターヘッドをこんなオッサンになった今頃、何故か好んで聴くようになっていたことに気付き、いや改めて聴くなんでこんなカッコイイんだろう!?そして、なぜ昔はこれが 嫌だったんだろう!?です。 その後、ビジュアルの露出も高まる時代を迎え、動く姿も明らかになってくると、単にレコードとジャケットだけから受けていたものとは、全く異なる印象であったバンド、ミュージシャンも沢山出てきますが、 モーターヘッドも、魅力的なカッコいい映像とセットで楽しめるようになったことも印象を変えてくれた一つかもしれません。 逆に、一番最初の出会いが、AMラジオの放送だったら、さらに凶暴性が高まって、また異なる印象だったかな、とも思います。 さて、内容についてが最後になりましたが、改めてこのアルバムは、タイトル・ナンバーがとにかく凄すぎ!オーバーキル(Overkill)と双璧で、ヘヴィメタだけでなく、ブリティッシュ・ハードとしても屈指の カッコよさではないでしょうか。とにかくハードでカッコイイ! 更にこの曲と同じくらいのテンションの曲がA面、B面ずらりと並びます。息つく暇もなく、延々と続くヘヴィなリフの荒波に、真夏の冷房ギンギンの締め切った部屋、いや全く効かない窓を開け放った熱すぎる 部屋、吹き荒れる嵐の夕方の引きこもりの自室、徹夜明けのハイ状態の自宅、昼間の酩酊…、できれば、そんな少々不健康な状態で身をゆだねてみたくなるサウンドです。 その状況こそが、いわばロック・ファンにとってこれ以上ない至福とも言えるのではないでしょうか!? 狂暴性に満ち溢れていてタマらないジャケットですが、これが、よく見るとスペードだらけのこだわりのファッションで粋です。 「モテたい」というのが昔からバンドをする人のモチベーションの要素ですが、モーターヘッドにもそれがあったのかどうか。ただ、今更になって、オッサンに惚れられる事は本望ではなかったとは思います。 春に向けてテンションを上げてかなければならない方、特にギアチェンジが必要な時にはピッタリのアルバムです。スペードのエース、絶妙の タイミングで切りたいものです。 - MOTORHEAD/Ace Of Spaces 4,800円 http://bit.ly/OPkRVW (2014.03.05) |