第339回 JIMI HENDRIX - "Axis: Bold as Love" | |
1967 UK-TRACK 612 003 (Hard Rock) | |
RARE度: ★ | |
Member : Jimi Hendrix (g, vo), Noel Redding (b), Mitch Mitchell (ds) |
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Side (A) 1. EXP 2. Up From the Skies 3. Spanish Castle Magic 4. Wait Until Tomorrow 5. Ain't No Telling 6. Little Wing 7. If 6 Was 9 |
Side (B) 1. You Got Me Floatin' 2. Castles Made of Sand 3. She's So Fine 4. One Rainy Wish 5. Little Miss Lover |
ジミ・ヘンドリックスといえば、衝撃のデビュー・アルバムか、衝撃のジャケットのエレクトリック・レディランドの名前があるのではないかと思います。 デビュー・アルバムの衝撃は衝撃で、個々の曲のクオリティがどれもとんでもない水準だとは思うのですがアルバムとしてのまとまりはまだまだな感じです。一方、エレクトリック・レディランドも確かにかなりの名盤だとは思いますが、ややドラッグが効き過ぎていて我々シラフの人間が普通の精神状態で聴くにはちょっと崇高すぎるかな、という印象です。薄暗くて煙漂う部屋でちょっとお酒かもうちょっと強いもの(?)と共に聴くともっと凄さが理解できるのかナ、と妄想は掻き立てられます。 さて、前置きが長くなりましたが、しかし、ボクは絶対にセカンド派。 これです。上記の2枚に比較すると2ndのインド風なジャケは購買意欲を萎えさせてくれますが、それを補ってもあまりある内容だと思います。A-1からドラッグ&トリップしていますが、音が深くて太い本物の音です。A-2の静かで渋い展開も雰囲気グンバツ(死語?)、ギターももちろんですが独特のイイ声に痺れる曲でもあり、勇気をもって言うなれば、声はクラプトンを凌ぎます!((ゴメンナサイ!) そしてボクら(ボク?)のA-3。この出だしのカッコよさはどうですか!?こんなリフありますか!?聴く度に毎回鳥肌を立てています。ガン(GUN)のセカンドのB-1のサビのドラムス横殴り鳥肌と双璧です ミッチ・ミッチェル一世一代の大舞台。とにかくアルバム全体が一体感を持っていて激しく重いけどうるさくない、なんというんでしょうか。 月並みですが、これこそまさしく時代を超えた名盤です。 デレク&ドミノスで有名なA6はこちらが本家です。本当に67年?と思いたくなる出来です。聴くほどに味わいが滲み出てくるどころか、聴く度に新鮮な感覚です。B面で少しとっ散らかり感が出てきますが、一旦しっとりと来たかと思わせるB-4でも、途中から爆発的に展開するので興奮覚めるところがないのです。 しかしこういう曲でも、いい味を出すのがジミの歌です。単なる黒さだけではない良さです。ギタリストとしてだけでなくミュージシャンとしてももう今後もう二度と現れないであろう天才の頂点の瞬間を収めた作品として後世まで聴き継いでいくべき作品だと思います。 さぁ、どうでしょう? LPを最後まで聴くと、あんなに購買意欲を萎えさせたジャケットからパワーがみなぎっているように見えてきます。聴いても聴いても飽きる事なく毎回新鮮な驚きとパワーまで貰って言う事なし!私にとっては、ある意味でオルニチンを凌ぐ強壮剤でもあり、このレコードを聴いて気合いを入れ直し、このクッソ(おっと失礼!)忙しい3月の期末を、どうにかしていきたい所存です。 ちなみに、CDよりアナログで聴く方が、もっとオルニチン(?)効果があります。まだの方は一度お試しを。 (2013.02.28) |