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第308回 HERON "Twice As Nice & Half The Price" |
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HERON - "Twice As Nice & Half Price" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Roy Apps(vo,g), Tony Pook(vo, per), Gerald T.Moore(vo,g,key), Steve Jones(key) |
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Side (C) |
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英国フォークの中でもひときわ異彩を放つ傑作です。 1stアルバムが見開きで1枚モノなのに対し、この2ndは2枚組みで 閉じジャケ・・、ということで、関西人でなくとも、関西弁で 『なんでやねん』と突っコミたくなることからこのアルバムは始まります。 1st同様屋外録音で、雰囲気抜群のジャケットもあわせて、英国フォークの 中でも屈指の『野外フォーク』です。 誰が名付けたか『木漏れ日フォーク』とは良く言ったもので、アルバム 全体を支配しているのは異常にリラックスした世界で、陽あたり良好な 中で木漏れ日が眼に痛い、そんな情景が広がっていきます。 同じ『フォーク』という括りにはあっても、湿気たっぷりの日本の 『四畳半フォーク』や『反戦フォーク』とは既に異なる次元にあり、 さりとて『トラッド』のように極端に格調が高いわけでもありません。 また『リラックスした世界』とは申しましたが、マッサージサロンで 流れているような凡百の『ヒーリング・ミュージック』とも全く異なる のは、リラックスしたムードながらも真剣に向かい合って聴くのに 耐えうるだけの奥深さだと思います。100回、200回聴いたくらいで 飽きてしまうような音楽ではありません。 この無添加・無農薬なオーガニック系の味わいは、謂わば最近流行りの 『奇跡のりんご』。どんなに時間が経っても変色したり、味が落ちたり しないのです! そして、また思うのは、音楽というのは本当に奥が深い・・・という所で、 『英国フォーク』と一口で言っても、ここにしかない音が確かに 存在しており、これはこれで簡単にマネのできない世界は、いくら 腕達者がコピーしてもあの雰囲気は絶対に出せないと言われた 『ツェッペリン』同様、『オリジナリティ』というポイントでもあり、 ヘロンもまた伝説として残る為の必須条件を備えていたのだと 気付きます。 どの曲がどう、と語るアルバムではありませんが、A-2とかC-1の雰囲気が、 まどろみと郷愁たっぷりでとても好きです。 更に希望を言うなら、こういう音楽は室内やポータブルプレーやーや カーステではなく、可能な限り人気のない、クルマでしか行けないような 田舎の山奥の池のほとりで、赤ワインでバーベキューをやりながら (飲むなら乗るな)、横で飛び跳ねているバッタを横目に・・・、 そんな環境で一度聴いてみたいものです。(でもプレーヤーは どうするのか・・・。) 飲み疲れて丸太を半分に切ったような長椅子に横たわって、うつら うつらしていたらB面が終わっていた、みたいな。 妄想は尽きません。 (2010.05.30) |