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第268回 ATLANTIS PHILHARMONIC "Same Title" |
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ATLANTIS PHILHARMONIC - "Same Title" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Joy DiFazio(key,mellotron,g,b,vo), Royce Gibson(ds) |
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Side (B) |
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USヘヴィ・プログレの最高峰です。 アメリカのプログレというと、カテドラル(CATHEDRAL)やイエッダ・ ウルファ(YEZDA URFA)、バビロン(BABYLON)等の激レア系アイテムに 良質なものが多く、メジャー系になるとカンサス(KANSAS)みたいな メローな音楽しかないというのが私の個人的な印象です。 マイナー系のアメリカン・プログレの多くは上の2グループもそうですが、 テクニカルなプレイを中心としたものが多いのに対し、このアトランティス・ハーモニックというグループは基本的にはミドルテンポ のナンバーが中心となっていて、ある意味異色なサウンドです。 グループと申し上げましたが、実は2人のマルチ・プレイヤーによるもの で、これが2人で演っているとは、その非凡さに驚きを禁じえません。 ずしりと重厚で、それでいてあまりテクニカルに走ることのない 安定したリズム・セクションがアルバムの屋台骨を支えていて、その上に ヘヴィなギターがのっかってきます。 更にその上にメロディアスなハモンドと幻想のメロトロンがかぶさって くると聞くと、もうそれだけで聴きたくてたまらなくなりますが、そんな テンパったコレクターの期待を裏切らない素晴らしい作品です。 メロディアスで幻想的に展開するとは言え、音的には結構ヘヴィな色合い が強い上に音が極端に太いので、ハード・ロック・ファンも気に入る こと間違いなし。その上、どの曲もすごいドラマチックなので、デートに も持って行かれてもハズさないでしょう。(ほんとか?) 『シンフォニック・ロック』なんて言葉がありますが、まさにA-2 あたりはシンフォニック・プログレの極致です。 曲後半のリフレインでの大叙情はかのプロコル・ハルム(PROCOL HARUM)ですら土下座してしまうのではないかって心配になるくらいの壮大な プログレ・シンフォニー絵巻です。エレガントなピアノの調べはUSとは 思えないくらいの室内楽的な潤いたっぷり。 そして・・、そこにスタン・ハンセンのウェスタン・ラリアットのように、 満を持して登場するメロトロンが大氾濫もとい大洪水。鳥肌必至です!! これ聴いてお風呂に入ったら、必ず口笛を吹きまくる事でしょう。 B面に行っても素晴らしさは継続し、B-2からB-3もテンションあがります。 決して明るくならないところもいいです。田舎の実家に久し振りに帰って、 周りの田んぼに住むカエルの大合唱をバックに聴きたくなる、そんな 素敵なアルバムです。 ジャケもいいですが、内容はジャケ以上だと思います。 (2007.10.30) |