第14回
PROCOL HARUM
"Shine On Brightly"
PROCOL HARUM - "Shine On Brightly" 1968 UK REGAL ZONOPHONE SLRZ1004 (Progressive Rock) RARE度: ★★ |
Member : | Gary Brooker(key,vo), Matthew Fisher(key), Robin Trower(g), David Knights(b) , B.J.Wilson(ds) |
Side (A) 1. Quite Rightly So 2. Shine On Brightly 3. Skip Softy (My Moonbeams) 4. Wish Me Well 5. Rambling On |
Side (B) 1. Magdalene (My Regal Zonophone) 2. In Held Twas In I (a) Glimpses Of Nirvana (b) Twas Tea Time At The Circus (c) In The Autumn Of My Madness (d) Look To Your Soul (e) Grand Finale |
『シンフォニックロック』という言葉に皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか?
私はどうも最近(といっても80年代以降ですが)の音楽、という先入観が強くて拒絶反応を起こしてしまいがちです。
未発掘シンフォニックロックとか言って80年代頃の作品がよくクローズアップされたりしていますが、そんなアルバムって確かにメロディも良いし、テクもある、だけど買ってみるとなぜか全然聴かなくなってしまう。
それは多分そのレコードには、大切な何かが欠けているからだと思います。
その大切な何かが何なのか、自分でもよくわかっていないのですが、このPROCOL HARUMのアルバムには間違い無くその『何か』があります。
このアルバムを買ってから既に16年のつきあいになりますが、これから更に10年、20年と半永久的に聴きつづけていくであろう正に私の宝物のひとつです。
PROCOL HARUMはこの2NDアルバム以外にも多くの作品を発表しており、『青い影』、『SALTY DOG』、『GRAND HOTEL』等とどれを買ってもほとんどが名盤という恐るべきグループなのです。
そんな中でも、DAVE LAWSONと並び称される英国人中の英国人GARY BROOKERの威風堂々としたヴォーカルと、ノスタルジックなピアノが感動的に響く本作は最高と言わざるを得ません。
特にA−1、A−2は所謂60年代ブリティッシュビートの持つ昂揚感と、英国独特の叙情が見事に融合したもので、60年代の音楽の5指にいれたいような内容です。
A面ですっかり満足してしまい、油断してB面を聴くとこれがまたA面以上の出来となっているのがこのアルバムの凄いところで、『プログレッシヴオペラ』といった感じの一大叙事詩は圧巻の一言です。
効果音として導入されている鐘の音も実にいい味を出していて、夕暮れ時に石畳の上を歩きながら聞こえてくる教会の鐘の音のようで、すっかり心はヨーロッパです。
このアルバムを聴いて涙を流せる人がいたら是非飲みに行きたいものです。