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第249回 LED ZEPPELIN "Same Title" |
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LED ZEPPELIN - "Same Title" |
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RARE度:★ |
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Member : |
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John Bonham(ds), Robert Plant(vo), |
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Side (B) |
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ブリティッシュ・ハード・ロックの金字塔です。今更説明不要の伝説ですが、何度聴いてもやはり凄いものは凄いのです。 ヤードバーズ(Yardbirds)脱退後のジミー・ペイジが構想を練りに練っただだけに、匠が何重にも塗りかさねた漆のお椀のような重厚感、高級感、 一流感が威風堂々とただよう、正に王道中の王道です。 後期になると衰えをみせていくロバード・プラントの声も、買ったば のかりの蛍光灯のような輝きを発しており、彼の生涯の中で最も油ののった 瞬間を記録したものと言っても過言ではありません。 まず、ドラムスの刻みの瞬間に全てが決まってしまったとさえ言われる A-1の出だしのリフは、世界中のロック・ファンに多くの衝撃を与えた そうですが、個人的にはこの曲はあまり好きではありません。(おいっ) このアルバムの中で私が一番凄いと思うのが、A-1からA-2にかけての 何ともいえないこの間です。絶妙の間ですね。この静寂を破って奏でられ 始めるアコースティックの響きと中世フランスの古城を彷彿とさせる 色艶やかで気品あふれるヴォーカルは、素晴らしすぎます。 初めてこのアルバムを買ったのは、とにかくハードなのが聴きたくて テンパっていた時代なので、A-2を聴いて『あんだよ、フォークかよ。』 などと吐き捨てたりしていたのですが、今から思うと、青すぎです。 バケツ持って廊下で立ってろ状態です。 さらにA-3に来ると、何を食べているとこんな曲が作れるんだろう?と 思わずにはいられません。当時のブリティッシュ・ブルースの持つ 横揺れの感覚をベースとしながらも、既に自分たちの世界を完全に作り 上げてしまっているところは、やはり並の力量ではないですね。 こんなめくるめく万華鏡のような世界で、クスリやって聴いたら、 さぞかし飛べるという話ですが、当時はこれも良さが全くわからなくて 『あんだよ、退屈な曲だな。』と、とばして(・・!)聴いていました。 これもバケツです。 そしてA-4。 ロバート・プラントも凄すぎますが、ボンゾ(ジョン・ボーナム)が さらに凄いのです。後半の怒濤の展開は、長坂波を駆け抜ける趙雲子竜か マラドーナの5人抜きかというくらいの疾走感で、ロック史上に永遠に 語り継がれていくべきものです。 スーパーショウや他でもこの曲のライブ映像が見られるのですが、映像も 鬼気迫るものがあり、食事しながら見ると鼻からスパゲティ間違いなし です。個人的にはこの曲が彼らの中でいちばん好きです。 B面も完全無添加濃縮還元野菜ジュースですが、いちばん好きなのはB-4 です。ラスト・アルバム『コーダ(Coda)』にもライヴ・バージョンが 収録されているのですが、そちらはボンゾが半端じゃなく大暴れしており、 ドラムス・ファンは即死必至なのでそちでも是非聴いて欲しいと思います。 余談ですが、裏ジャケのジミー・ペイジの写真は、国生さゆりに そっくりです。王貞治にも似ています。 (2007.04.10) |