BACK TO HOME | ||
第145回 YARDBIRDS "Five Live Yardbirds" |
||
|
YARDBIRDS - "Five Live Yardbirds" |
|
RARE度:★★★★★ |
||
Member : |
||
Keith Relf(vo,harmonica), Eric Clapton(g), Chris Dreja(g), |
||
|
Side (B) |
|
三大ギタリストを輩出したことで知られるヤードバーズの記念すべき デビューアルバムは、ブリティッシュロックを追求し始めた方にとって 避けて通ることのできないアイテムで、ブリティッシュロックの全ての 始まりとして有名な一枚です。三国志でいえば『桃園の義』にあたるもの。 ですが、三大ギタリストという伝説ばかりが先行し、グループとしての 評価は今一つ正しくなされていないように思えます。ギタリストのことは ちょっと横に置いておいて、真っ白な気持ちで60年代のひとつのバンド として素直に聴いてみた場合でも十分に魅力的なグループだと思います。 今聴くとやや古臭さを感じるのは否めないものの、ジェフ・ベックの ギターがこれでもかとばかりに前面に出てくる中期や、レッド・ツェッペ リン前夜そのまんまのジミー・ペイジ時代に較べると、このアルバムには そういう意図的なものが感じられない分、グループが一丸となった白熱の 演奏内容で、ナマな熱気と興奮は、正に60年代スウィンギングロンドン です。 A-1に針を降ろした瞬間に一気に40年前のマーキークラブにタイム スリップしてしまう、冷凍保存濃縮還元レコードとも言えるでしょう。 A-1冒頭は、いきなりのイントロのメンバー紹介。(紹介者は確かアンドリュー・オールダムだったかな?)いったい何人のロックファンが マネしたことでしょうか。 『エレキッギター・・、エリック、スローハン、 カァントンッ!』(こう聞こえるんだなこれが)なあんてついついやって しまいますね。一人で盛りあがっていると、『スローハンカントンは いいから早くオフロに入ってきてよ。』と横から家族に言われた事も 一度や二度ではありません。 演奏能力自体は今から思うと大したことないのでしょうが、ロックって やっぱりノリですよね。いくらギターの速弾きを競ってみたところで、じゃあこのアルバムが 持っているようなノリをマネできるかというと必ずしもそうではない ところがロックの面白いところです。バン・ヘイレンの速弾きライト ハンドも確かに凄いけど、凄いだけだもんなあ・・。 また、A-3の『スモークスタック・ライトニング』のイントロのあの 雰囲気!どうですか、みなさん?こんな雰囲気、百年コピーしても出せ ないですよね。いやいやしかしカッコイイのです。 そして、言うまでも無くジャケットがまた雰囲気抜群でカッコイイ! 最近では「プライド」(格闘技)を観戦している姿が時々オーロラ ビジョンに映し出されたりするクラプトンですが、今の顔しか知らない人 にはこのジャケットをみてもどれがクラプトンだかわからないのではないでしょうか。あれから40年。ミルコ・クロコップみたいな顔のが クラプトンです。(という例えはかえって分かりにくいですか?) 確かに70年代のハイトーンスタイルのヴォーカルアクトと較べると ちょっと物足りないのか、評論家筋には評判の悪いキース・レルフの、 そのなんとも言えないジェントルな歌唱も、個人的には決して捨てたもん じゃないと思いますし、「ヤードバーズ」っていうのはやっぱりキース・ レルフのグループだったんじゃないかとも思います。 (2004.03.20) |