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第336回 LED ZEPPELIN "Physical Graffiti"

LED ZEPPELIN - "Physical Graffiti"
1975 UK-SWAN SONG SSK89400
(Hard Rock)

RARE:

Member :

Jimmy Page(g), Robert Plant(vo),
John Paul Jones(b), John Bonham(ds)


Side (A)
1. Custard Pie
2. The Rover
3. In My Time Of Dying

Side (B)
1. Houses Of The Holy
2. Trampled Under Foot
3. Kashmir



Side (C)
1. In The Light
2. Bron-Yr-Aur
3. Down By The Seaside
4. Ten Years Gone

Side (D)
1. Night Flight
2. Wanton Song
3. Boogie With Stu
4. Black Country Woman
5. Sick Again


まったくもって今更ながらですが…。

私も行って参りました!『祭典の日』。そうです、あの2007年の既に伝説になりつつあろうというライブの劇場上映会です。

この手の映画というと前後のメイキングの逸話や、裏話、過去の栄光の映像等でつなぎにつないで引っ張ったあげくに、「えっ?これだけ?」なんてパターンも多く、 2007年のライブも写真でちらっと見た感じではだいぶお年を召された感じなので、ちょっとやばいかなという部分もあったんですが、何が何が、もうそんな心配なんて とんでもなく、素晴らしいもので、初めてツェッペリンのフィルム・コンサート(死後ですね!)を見た学生時代にも比肩する感動、感動でした。

上映と同時にいきなりライブ開始、字幕もなし、ライブ・コンサートをそのまま流しただけという贅肉一切なしのアルバム『プレゼンス』のような映画です。

ロバート・プラントの声もペイジ・プラント時代よりも明らかによく出ていて、ジミー・ペイジは白髪になってしまったものの、北京オリンピックでのご乱心なんかよりもずっとよく、 円熟味が更にいい味で、このふたりがそうなら悪いわけがない、という内容でしたが、実は一番の驚きが、ボンゾの息子、ジェイソンの凄さです。

ボンゾの凄まじい迫力にはややひけはとるかもしれないにしても、タタキ方とかその打ち込み音、オカズの入り方等、もう遺伝子以外の何物ではないという違和感のなさで、 見ている途中で、観客も皆さんオリジナル・メンバーかと一瞬錯覚してしいたのではないでしょうか?

『グッド・タイムズ、バッド・タイムズ』で幕を明けると次々と飛び出す往年の名曲たち。1曲終わるたびの静けさの中で、次に何が始まるかを待つこの贅沢な興奮の時は 何物にも変えられないも瞬間でした。

そんな中でも、私がやられたのは『カシミール』と『イン・マイ・タイム・オブ・ダイイング』。

ご存知の通り『フィジカル・グラフィティ』に入っている2曲です。で、今回は『フィジカル・グラフィティ』という事になるわけですが、何枚も何枚もアルバムの発表を重ねている中で、 平気でこんな曲を作ってしまうその凄さに改めて感じ入るばかりです。

2枚組みアルバムの場合、どうしても入ってしまう『捨て曲』も一切ナシです。例えばザ・フーの『トミー』のようなトータル・コンセプトか、もしくはライブアルバムならばまだしも、 そうでないアルバムでこれだけのクオリティで、しかも最後まで飽きさせないというのは名盤の証しだと思います。久々に聴くと改めて感動を禁じ得ません。

また、個人的には「イン・ザ・ライト」とそこから続く、「ブロン・イー・アー」が私のお気に入りで、どこまでが計算されたものなのか、ハードな曲の中にあってこそ生きる こういったフォーク・タッチのナンバーはもうジミー・ペイジの十八番でしょう。映画『狂熱のライブ』での印象的な場面でのこの曲のシーンは忘れられません。

キチンとした音響と映像でみる事が出来たことも大きいかと思うのですが、しかし、今回の映画のライブは実にカッコヨカッタ・・・。さぞかし全盛期のころは凄かったんだろうな、 と想像も膨らみます。

やっぱりもう一回来日して欲しいなぁ…。

(2012.10.31)