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第281回 BAD COMPANY "Same"

BAD COMPANY - "Same Title"
1974 UK-ISLAND ILPS9279
(Hard Rock)

RARE:

Member :

Paul Rodgers(vo), Mick Ralphs(g),
Boz Burrell(b), Simon Kirke(ds)


Side (A)
1. Can't Get Enough
2. Rock Steady
3. Ready For Love
4. Don't Let Me Down


Side (B)
1. Bad Company
2. The Way I Choose
3. Movin' On
4. Seagull



70年代ブリティッシュ・ロック成熟期の74年にデビューした空前の スーパー・グループの1stアルバムです。

フリー在籍中は渋く渋くキメていたポール・ロジャースが、これだけ ド派手な展開をするとは、当時の人たちはさぞかし驚いた事と思います。

この印象的なジャケットも一度見たら忘れられないもので、この手の シンプル印象派ジャケの走りではないでしょうか。しかもこのジャケも ヒプノシスだったのは、ちょっと意外です。

ジャケはシンプルでも、内容は超華やか。ポール・ロジャースが一番 輝いていた瞬間と言って良いでしょう。

よく言われてきたことですが、A-1では本当にドラムスがもたついて います。サイモン・カークってフリーの時代にはこんなにもたついて いなかったのですが、ここでは異常にもたついています。 故意なのか?と思うほどです。

でも、この『もたつき』を差引いても、この頃の彼らは完全に時代を 掌握していました。デビュー作ならではのいきおいを感じます。 ジメジメ感は全くなくとにかくド派手に展開します。それでも決して 軽くはなっていないのが流石で、後々まで彼らを代表するナンバーとして、 歌い継がれるだけあって、勢いだけで一気に最後まで行くのです。

特にポール・ロジャースの『笑わせんな』(って聴こえる)掛け声から 始まるギター・ソロの躍動感は凄いです。これぞハード・ロックの醍醐味、 所謂『歌ってしまう、ギター・ソロ』です。

また、どうしてもB級なにおいが滲み出てしまうハードな曲に比べ、 バラッドになると一級品で、ロジャースの歌声の懐の深さを感じさせ られるところです。バラッドもゴージャスです。

さらにA-3には、モット・ザ・フープル(MOTT THE HOOPLE)のカバー曲 『レディー・フォー・ラブ』を収録していますが、本来地味な曲である この曲すら、ロジャースに掛かると、フリー時代とは異なって、何を 歌わせても金ピカな感じに仕上げてくるので不思議です。もっとも、 この曲に関して言わせてもらえば、個人的には、モットのオリジナルの 方が渋くて好きではありますが。

内ジャケのライヴ・ショットもまたカッコイイ!
でも、若者が見るとヘヴィ・メタみたいに見えちゃうかもしれません。

(2008.03.10)