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第270回 THE HONEYDRIPPERS "Volume One"

THE HONEYDRIPPERS - "Volume One"
1984 UK-ES PARANZA 790220-1
(Rock)

RARE:

Member :

Robert Plant(vo), Jimmy Page(g),
Jeff Beck(g), Nile Rodgers(g)


Side (A)
1. I Get A Thrill
2. Sea Of Love
3. I Got A Woman



Side (B)
1. Young Boy Blues
2. Rockin' At Midnight



ちょっと異常ですね。一夜限りの再結成とは言えコンサートなのに。

お聞きになりましたか?レッド・ツェッペリンの再結成コンサートに、ペアチケットが8万3千ポンド(=約1,900万円)で競り落とされた そうです。一般のニュースでも取り上げられて世間を騒がしていますが、凄いっすよねー、やっぱり。なんか年々神格化されているような・・。

さて本作。

これはツェッペリン解散後5年後にロバート・プラントを中心に、ジミー・ペイジジェフ・ベックまでが参加しているというとんでもない豪華メンバーで、もうメンバー聞いただけで狂喜乱舞した記憶があります。

この当時のツェッペリン・ファンというと、解散後4年間でジミー・ペイジのサントラ『ロサンゼルス』とプラントのソロ作品しか与えられて おらず、テンパイどころかほとんど暴動寸前状態にあったと想像します。

私もそんな一人だったのですが、内容はどうも『ハード・ロックではないらしい』という衝撃の前情報が流れ、そうは言っても『メンバーが メンバーなんだから大丈夫だろ』とか、混乱と錯綜の中、このアルバムを入手したのでした。

音を聴いてみると、『これは・・・!?』

『唖然』とはこんな事を言うのだと思いました。『だからハード・ロックじゃないってあんなに言ったのに』と突っ込まれても致し方ない所です。 ハード・ロックではないにしろ、ヤードバーズ(YARDBIRDS)程度の音は出してくれるだろう、なんて思っていたのもマズかったと思います。 頭ではわかっていました。私だって。それでも私は暴れました。

しかし年を取る恐ろしいもので、今になって冷静に聴いてみると、いやこれ悪くないのです!(おい!)

当時は興奮しすぎてまともに聴かなかったアルバムではありますが、内容はロバート・プラントの趣味を強く打ち出したもので、オール ディーズへの深い傾倒を感じさせる作品となっています。全曲カバーです。

大ヒットしたA-2や哀愁のB-1なんか最高です。

汗水垂らしてヘヴィー・ロックを演るのではなく、リラックスしたムードで肩に力入れずに楽しみながら演奏している様子がよく伝わってきます。

プラントのヴォーカルは、ツェッペリン初期の声こそ出ていないものの、そういうハイトーン系の曲は全くないので、この甘〜い甘〜い歌声も 改めてその良さを再認識させられた次第であります。

A-2のギター・ソロを聴いて当時『アホか・・』と言ってしまった稚拙な自分が恥ずかしい位です。どうってことないソロですが、実に味があり、 単純なものほど深いという格言通りです。フレーズが簡単すぎてペイジかプラントかわからないのが味噌ではありますが。

これ買って当時泣き叫びながら暴れていた方、一度改めて聴いてみては如何でしょう?私が言うのもなんですが、意外といいですよ。

今となってはヴォリューム2が出て欲しかったとすら思える始末です。

(2007.11.20)