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第294回 URSA MAJOR "Same Title" |
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URSA MAJOR - "Same Title" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Dick Wagner(g,vo), Greg Arama(b), Ricky Mangone(ds) |
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Side (B) |
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ブラック・サバスのデビュー・アルバムを思わせるような静かで不気味な イントロに、嵐の中で遠くから聴こえる鐘の音は悪魔の降臨のごとき 荘厳さ・・・抜群の雰囲気に、ジャケット通りの暗黒さにいやが応にも 期待に胸が膨らみ、鼓動も早まります。 そして、期待通りに静寂を破っていきなりの大音量と、ヘヴィー・ ドラミングが、あらゆるものを踏みにじっていきます。なんという手数、 そして、なんというオカズなのでしょう!?トリオとは思えない音圧で、 イントロにあわせてヴォリュームを上げておけば、サビでもの凄い音に なり、慌てていると親が起きてきた・・・、みたいな展開もお約束通りで なかなか嬉しくさせてくれます。 T2のドラミングに感動を覚えてしまった諸兄にこそ是非とも聴いて 欲しいと強く願う理由でもありますが、とにかく、このイントロのリズム、 というか、ドラミングはカッコよすぎるのです。しかも音質は異常に 金属質で、ブルース色が殆ど感じられないのはいい意味でアメリカン・ ハード・ロックの真骨頂です。 そしてきました、超ハイトーンヴォーカル!! グランド・ファンクのクローサー・ホームなみの迫力で、実に気持ち 良さそうに歌いあげ、暗黒のイントロのくせにヴォーカルは青雲突き抜け、 しかしドラムスはヴォーカルの明るさを潔しとせず、依然として暗黒に 徹する・・・そんな感じ。私に歌えるかどうかは別にしても、早く カラオケに登場しないかな、と胸の高鳴りも覚えます。 アメリカのハード・ロック・グループにしてはよく出来た曲のA-2は、 ツェッペリンのIIIを意識したかのようなアコースティック・ナンバーで、 そして驚いたことに、続くA-3にはライヴを持ってくるのがまた憎い! 不思議な曲調のナンバーではありますが、ドラムスは裏ハイズマン風で やっぱりカッコよく、ギター・リフも面白いのです。ライヴでもこれだけ できるんだぞ、と実力の程を見せつける1曲です。 この手のアルバムはB面でがっかりさせられるパターンが多いのですが、 レコードをひっくり返してからも、期待を裏切ることはありません。 B-2のヘヴィー・バラッドも極端に出来がよく、横風の如き ディストーションがかったハードなギターが印象的で、リフレインが 様式美的な美しさを持ち、一聴の価値ありです。 残念ながら、これで力を出し切ったのか、このバンドはこれ一枚で解散 します。解散後、メンバーはアリス・クーパーにも参加していくよう ですが、もっと聴いてみたかったと思うグループです。 やっぱりドラムスと歌メロが良いと全然違うのだと実感する一枚です。 (2009.03.30) |