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第255回 DEMIAN "Same Title" |
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DEMIAN - "Same Title" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Roy Cox(b,vo), Rod Price(g,vo), |
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Side (B) |
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ウェスト・コースト風のジャケットのせいで、一瞬、試聴する気も失せて しまいそうになりますが、中身は超強力です。 アメリカン・ハード・ロックというとそのお国柄のせいなのか、A-1で カッコよくキメて後はふぬけた展開になることが多く、さんざん痛い目に 遭ってきた方々も多いとは思うのですが、このデミアンは違います。 一聴した感じではどうということのないB級ハードロックで、聴けば聴く 程、納豆を延々とかき混ぜ続けたときのように、どんどん良い味に なってきます。A-1に衝撃力がない割に、その分ずっと同じテンション、 というより段々テンションが上がっていくので、各方面でそれなりの 評価は得ているようです。 如何にも小手調べといった感じで、軽いジャブという言葉がぴったりの A-1に続くA-2は、切れ味の良いギターにのせられながらも、メロディアス に展開していく佳曲で、その次のA-3に持ってくるのが驚きのフォーク・ ナンバーです。この曲もレベルは高く、カウボウイが夕陽に向かって 佇んでいるような、心のどこかを刺激するものです。 ということはA-3は休憩で、次のA-4は思いっきり来るんだろうな、来る んじゃないかなー、と思っていたら、やっぱ来ました!よく見たら 曲名までそのまんまCOMING!ギターは粘っこくメロディアスながらも 逆ギレのように炸裂し、リズムも「あれっ?こんな凄かったっけ?」って いうくらいの暴れっぷりで、エンディングは必殺。A-4まできて急に鼻血が 出てしまいました・・的結末です。 B面もそんなテンションが保たれたまま、B-1では妙な余裕すら感じられ ます。 だらだらとセット・ポジションに入って油断させといて、いきなり 一塁走者に牽制球を投げる、みたいな感じで、「ずっとリキ入れている ばっかりが能じゃない」といわれているようです。 サビでは一気にきます。というよりサビ以降一気にきます。 ギターのリフレインと味の良いヴォーカルがユニゾンで上りつめるところ は、手に汗握らずにはいられません。実にカッコいいのです。2台の ギターが実に素晴らしく、よく鳴ってくれています。エンディングも ご他聞にもれずリズム隊が逆ギレです。 この後も最後まで涼やかなヴォーカルとよく鳴るギターで聴かせてく れます。 全体的にミドルテンポなナンバーばかりなのでついついノーマークに なりがちなのかも知れませんが、ハード・ロック好きが多い、わが国 日本でもまだそれほど評価されていない、穴場的一枚だと思います。 国内盤はジャケ違いで、ちょいとダサいデザインなのがいささか残念です。 (2007.06.10) |