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第248回 MARY HOPKIN "Those Were The Days" |
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MARY HOPKIN - "Those Were The Days" |
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RARE度:★★★★★ |
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Member : |
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Mary Hopkin(vo,g) |
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Side (B) |
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ウェールズ生まれの永遠の歌姫、メリー・ホプキンの3rdアルバムです。 60年代後半にウェールズ語で何枚かのシングルを発表し、その後、ポール・マッカートニーのプロデュースでアップル・レーベルからアルバム・デビュー、その後、大阪万博(こう書くと古い話ですね・・) の際に来日、京都観光もしたりしながら日本でもその歌声を披露しているので、音楽ファン以外の一般の方々にも日本では広く名前が知られるよう になりました。 特に本作のA-1に収録されている邦題『悲しき天使』は、恐らく誰でも 耳にした瞬間に『あああ、あの曲ね』って言ってしまうくらい有名です。関西に住む私の義母ですら知っていましたし。(?) ポールがプロデュースしたデビュー・アルバムはやや未熟さも漂う出来ではあったのですが、最高傑作2ndアルバムを発表後、ベスト的色合いの強い本作を発表します。 ブリティッシュ・フィメール・フォークも追いかけてきた私なんかには、アイドル系のビジュアルもあってか、ちょっとメジャーすぎる感が強く、コレクターズ・アイテムに加えるか否かは微妙なところなのに、一度 聴いてしまうと『これは外せないな・・・』と思ってしまうのであります。 まず、この人の歌声はせつなさという意味では世界でも1、2を争う位のもので、A-1やB-3のせつない内容はもう筆舌に尽くしがたいせつなさ (くどい)です。2ndにくらべるとやや劣る感は否めないもののそれでも全体的にセピア色のイメージでまとまり、彷彿させてくれるものといえば、 日曜午後の昼下がりのうたたね、公園のボートとあひる、部活帰りの夕日の暮れなずむ校庭、卒業式の帰り道、岩鬼が最後に投げた帽子のシーン(『ドカベン』です)・・・。 特に、曲調や歌声が日本人の心にストレートに響いてくるので、浪花節の日本の方の琴線に触れることは間違いないと思います。但し、聴きように よっては、泣けてきてしまう危険性もあり、本当に罪な歌声だと思います。 B-3は、もう完全に白昼夢で、徹夜明けのささくれだった身体で、ふわふわの毛布にくるまって眠りに落ちるその瞬間を歌い上げたかのような見事な 出来で、いつまでも聴いていたい気分にさせてくれるのです。 ちなみに、ウェールズ語時代に録音したシングルも美しいピクチャー・スリーヴそのままの素晴らしい内容で、そちらもフィメール・フォーク・ ファンは必聴だと思います。 彼女の作品は、とかくポールがプロデュースっていう点で、レコード・コレクターからは減点対象となってしまうのでしょうが(ほんとか!?)、 まずはまっすぐな心で聴いて頂きたい一枚です。 (2007.03.30) |