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第242回 AUTOMATIC FINE TUNING "Same Title" |
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AUTOMATIC FINE TUNING - "Same Title" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Paul A.(g), Robert Cross(g), |
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Side (B) |
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ギターを中心とした大作インストゥルメンタルを指向したグループで、通常はキーボードで奏でるような旋律を、ひたすらヘヴィ・ギターで攻め 立てる変り種です。 普通、この手のサウンドは、静かな部分と一気にたたみかける場面とのメリハリでもってドラマティックに展開するというのがある意味 お決まりのパターンなのですが、このアルバムは違います。 ギターが2台あるというのもこのグループの特色のひとつなのですが、ワウワウを多用したギターと延々と粘り強く弾き続けるもう一本の ギターがまるで一騎打ちのように対峠しています。 2台のギターというとウィッシュボーン・アッシュ(WISHBONE ASH)を思い出しますが、あんなにメロディアスじゃないし、あんなにメロウでも なくて、内容的には全然違います。 特にA-1は厚み&ねばり&熱さがムンムンの展開で、ギターがオーバーヒートを起こしそうな心配をしてしまうような曲で、とにかくずぅーっと ギターの音が出ているのです。『なんかずっとおんなじ音がしとるけど・・』と突っ込まれそうで、こういうのは、慣れてない人には ダメかもしれません。 だからと言って単調かというとそうでもなくて、じゃあ難解かというとそうでもない、一筋縄ではいかないアルバムなのであります。 A-2になると曲はA-1よりはあっさりしてくるのですが、その分ギターがもっとねちっこくなってなんのことはない、って感じですね。 もうネバネバです。 A面は全2曲(B面もですが)という大胆な構成で、結局ギターばっかりなので、A面が終わった瞬間に家族から『あー、うるさかった。』と 言われるはず。 そしてB面の構成も2曲で、B-1は相変わらずのA面路線ですが、B-2にきて、いきなりヴォーカルが登場します。ここまで引っ張ってヴォーカル が挿入されるっていのも70年代初期のアングラ・ブリティッシュ・ロックらしくて面白いと思います。 企画としては面白いし、演奏も申し分ないのに、なかなか愛聴盤にはならない、そんなレコードと表現して今日の所は締め括りたいと思います。 (2007.01.30) |