BACK TO HOME | ||
第223回 T.REX "The Slider" |
||
|
T.REX - "The Slider" |
|
RARE度:★ |
||
Member : |
||
Marc Bolan(vo,g), Mickey Finn(Hand Percussion,vo), |
||
|
Side (B) |
|
英国グラム・ロックを代表する作品です。 グラムとはグラマラスの意味で、グラム・ロックと言えば、デヴィッド・ボウイ(DAVID BOWIE)やロキシー・ミュージック(ROXY MUSIC)、もう少しマイナーなところではモット・ザ・フープル(MOTT THE HOOPLE)やスレイド(SLADE)等が有名ですが、やはり何と言ってもT.レックスです。 T.レックスというよりはマーク・ボラン! 今や軽々しく使われ過ぎてしまった感が残念な『カリスマ』という言葉は、そのマーク・ボランにこそ相応しく、彼こそが本当の『カリスマ』、もう二度と出てこないようなスーパースターだと思います。彼にしか 出せない独特の雰囲気があり、彼らの曲は聴いた瞬間T.レックスだってわかる程です。 2ndアルバム『電気の武者』(もうちょっとマシな邦題が欲しかった・・・)(ELECTRIC WARRIOR)も有名ですが、私はこの『スライダー』をお薦め したいのです。理由はただ一つ、A-1に『メタル・グルー』が収録されているからです。 この躍動感と官能さ!! 私はデヴィッド・ボウイのかの名曲『スター・マン』(Starman)と双璧をなす『喜怒哀楽ソング』と呼んでおりますが、こんなの誰が何回演っても 絶対マネできないと思います。 イントロの『イェエ、イェエ、イェエ、イエエエー』ってところでまず鳥肌。ハード・ロック・ファンだろうが、プログレ・ファンだろうが 全てのロック・ファンをなぎ倒す説得力に満ち溢れており、聴いた人間の感情をこれほどまでに激変させてしまう曲も珍しいと思います。演奏が どうだとか、メロディがどうだとか、もうそういう次元を超越してますね。 躍動的でいながら郷愁も漂っていて、思春期によく聴いていた人が、ずっとこれを聴いてなくて何十年ぶりとかに聴いた日にゃ、もう号泣間違いなしです。 昔、表面上は明るいのにその奥に秘めたせつなさが素晴らしい、キャンディーズの『微笑返し』という名曲がありましたが、そんな感じ ですね。明るい曲ほど逆に涙を誘う、そんな感じ、おわかり頂けますか? また、このなんともいえない雰囲気のジャケットは、クレジットにも表記されている通り、リンゴ・スター(RINGO STARR)が撮影したという事で 有名なのですが、真実は異なっていると言う話もあり、レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)の名づけ親問題同様、ロック界によくある この手のエピソードがこのアルバムにもあった、と言うのもちょっとした『カリスマ』の証なのかもしれません。 (2006.6.30) |