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第220回 TUDOR LODGE "Same Title" |
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TUDOR LODGE - "Same Title" |
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RARE度:★★★★★★★★★★ |
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Member : |
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Lyndon Green(vo,g), John Stannard(vo,g), |
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Side (B) |
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ブリティッシュ・フィメール・フォークの三美神の一角です。 フォークを知らなかった頃は『ヴァーティゴ・レーベル!変形ジャケット!!!』という話題性にだけしか興味がなく、あまり真剣に向き合っていなかったのですが、それから四半世紀を経て、 ブリティッシュ・フォークなるものを真面目に聴きはじめてようやく『このアルバムは実はとんでもなく凄いアルバムで、一般人が気軽に聴けるような代物ではない』ということを『本』で知りました。 そして、その内容はと言うと一聴した感じではフツウのフォーク音楽です。が、そんじょそこらのカレッジ・フォークや四畳半フォークが束なっても敵わない崇高かつ荘厳なもので、さすがに天下のヴァーティゴ・ レーベルが誇るだけあって、何年いや何十年聴いても朽ち果てることのな素晴らしさだと思います。 演奏、歌声等はもちろん標準を軽くクリアしてはいるものの、そんなに世間が騒ぐほどには、天上の響きのフィメール・ヴォーカルというわけでもなく、死ぬほど感動的な極上のメロディが奏でられるわけでもない。でもアルバム全体で聴くと全体のかたまりがとてつもないオリジナリティになっているのです。 休日の午後3時位に聴くと完全に白昼夢状態に陥ります。白昼夢の正確な意味を知らなくても、このアルバムを聴いた印象が白昼夢だといえば、 みなさん『はっはあーん。な〜るほど。これが!』と手をポンと叩いて納得して頂ける事でしょう。 もう少しわかりやすくいうと、炎天下に野球のデーゲーム観戦をしていてついつい調子に乗ってまだ1回の裏なのにビールを3杯ほど飲んでしまい、後はとろ〜んと観戦して気づいたらヒーローインタビューになっていた、 結局何しにきたの?ってそんな状態に近いというか。間違っても、徹マン明けの明け方とか、雷雨とどろく不気味な夕方(ブラック・サバス(BLACK SABBATH)はこっちです)なんかのシチュエーションには絶対合わないと思います。(またしてもかえって判りにくくなりましたか…) ちなみに、このアルバムを楽しむのに必要なのものを思いつくままに書き並べると、程よい日光、できるだけ小さめの小川のせせらぎ、できれば小鳥のさえずり、更に欲を言えば緑の見える窓際、それと適度な眠気…。パソコンなんて傍にあっては絶対いけません。テレビの音やビルも車のアイドリングもNGですね。 って書きながら東京では十分楽しめない気がしてきました。 つまり要するにそういう音楽なのであります。 (2006.5.30) |