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第218回 PREMIATA FORNERIA MARCONI "Per Un Amico" |
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PREMIATA FORNERIA MARCONI - "Per Un Amico" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Flavio Premoli(key,vo), Franco Mussida(g,vo), |
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Side (B) |
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このグループの名前をフルネームで語る時、自ずと『ぷれみゃ〜た・ふぉるねり〜ゃ・まるくぅぉ〜に』と何故か名古屋弁丸出しになってしまうのが印象的な(声に出してお試し下さい)恐らく世界的で一番成功を収めたであろう、イタリアン・プログレッシヴ・ロック・ グループ、PFMの最高傑作2ndアルバムです。 72年のデビュー以来非常に息の長い活動をしているグループであり、とにかく世界中のプログレ・ファンの『イタリアン・プログレここにあり』と知らしめただけでもその功績は大きいと思います。 アルバム全体を通しての演奏水準の高さにも目を見張るべきものがあるのですが、まずはA-1に見られる大叙情が全てを物語っています。 出だしのメロトロンの壮大なうねりは一瞬クリムゾンを思わせるものの、アコースティックな爪弾きが入った瞬間、開封したばかりの芳香剤のようにイタリアン・バロックの香りが部屋いっぱいに広がり、続けざまにドラムス、フルートが入って、ストリングスまで導入されると一気に彼らの世界へ! メロトロンの壮大な調べと後半のリフレインでは口笛を吹かない日本人はいないのではないかと思われる程の印象的なメロディで、この様式美的な 叙情は本当に日本人の心にぴったりマッチしています。 また、静かで奥ゆかしいヴォーカルはもうイタリア人にしか絶対できない独特のもので、静かに歌いつつだんだんと河の流れが下流域に広がって いくような、世界遺産的なスタイルは他の多くのイタリアン・プログレ・グループが追随したスタイルでもあります。 『クリムゾン・キングの宮殿』で悶絶したリスナー諸氏は必聴すべき名曲ですが、これはスタイルこそ違え、レインボウ(RAINBOW)の『虹を つかもう(Catch The Rainbow)』が好きなハード・ロック・ファンにも是非聴いて頂きたい曲です。 このA-1はクリムゾンのピート・シンフィールド(Pete Sinfield)によって英訳された別バージョンも存在しますが、個人的には絶対にこの オリジナルのイタリア語バージョンじゃないと駄目だと思います。 他の曲もそれぞれに違った表情を見せており、この衝撃のA-1の路線だけに頼ることなく、様々に展開するところは彼らの非凡な才能を感じざるを 得ません。 単なるトリック・アートのようなあっさりとしたジャケットに包んでおくにはあまりに惜しい充実の一枚。 でも個人的にはニュー・トロルズ(NEW TROLLS)の方が好きです・・。 (2006.5.10) |