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第212回 QUELLA VECCHIA LOCANDA "Same Title" |
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QUELLA VECHHIA LOCANDA - "Same Title" |
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RARE度:★★★★★★★★★★ |
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Member : |
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Massimo Roselli(key), Giorgio Giorgi(vo,flute), |
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Side (B) |
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イタリアン・プログレの中でも叙情派の最高峰に君臨するクエラ・ヴェッキア・ロッカンダ(QUELLA VECCHIA LOCANDA)の幻の1枚です。 このグループ名は「古ぼけた宿屋の人々」というダサいのかかっこいいのかよくわからない日本語の意味のようですが、これは意味を考えずに語感を楽しみたいというのが私の個人的な思いです。 彼らはオリジナル・アルバムとしては2枚リリースしていますが、2ndの出来があまりにも偉大すぎるため、この1stは割を食っている感がありますが、冷静な耳で聴いた場合、こちらも相当な名盤であると胸を張っていえる一枚でもあります。 2ndは究極美を追求するあまり、ややメロウな展開が中心でロックからは距離を置いた仕上がりとなっていますが、この1stは、ロックのゴツゴツした要素も多分にあり、それと叙情派クラシカル・ロックの美が真正面からぶつかる異種格闘技戦セメント・マッチ的な新鮮な魅力に満ちています。 特にA-1出だしのヴァイオリンとロックのリズムが絡み合う様はこれぞイタリアン・プログレの醍醐味といえるもので、展開が進んでいったあたりにフルートが入ってきた途端、気絶した方も多いと思います。 その流れのままに突入するA-2では気絶どころか悶絶が待っています。ロックのイントロをヴァイオリンで奏でるこの凄さ。こんなの聴いたことないっすよ、という貴兄。私もそうでした。 このイントロで感じる快感こそがイタリアン・ロックの素晴らしさです。 そしてモノの本で言われている通りB-4で一気に クライマックス。この珠玉の美は2ndにも通ずるもので、芸術の領域で語るべき崇高さ。雨の滴る外の風景を窓から見とれている明け方のよう。 フォルムラ・トレ(FORMULA 3)もオルメ(LE ORME)も相手じゃない、とんでもない叙情!!! プロジェクトXのような体言止の連発になってしまいました…。 最近ではイタリアン・プログレは下火になった等といわれていますが、流行り廃りで論ずるような性質の音楽ではありません。いつ聴いても素晴らしい、クラシックと同じように扱うべき一枚だと思います。 (2006.3.10) |