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第209回 YELLOW MAGIC ORCHETRA "Same Title" |
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YELLOW MAGIC ORCHESTRA - "Same Title" |
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RARE度:★ |
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Member : |
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Ryuichi Sakamoto(key,orchestra), |
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Side (B) |
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タイトルを見た瞬間に読まずにメールを削除している貴兄、どこがロックだとお暴れの貴兄、勘弁してくれよと呆れられた貴兄、反応はさまざまかと思いますが、まずはネガティブな反応が殆どではないでしょうか。 ま、冷静に行きましょう、冷静に。 日本の音楽ではありますが、一応70年代ということでギリギリ許されるかと思い、ペンをとった次第です。 しかし、このアルバムが、スペイン・バスクのアイセア(HAIZEA)の2ndと同じ年に発表されたというのは俄かには信じがたいものがあります。私のロック・アルバムの発表年度に関する体内時計は相当狂ってるな、と 改めて痛感させられます。70年代ロック・ファンにとって80年以降の音楽はいつまで経っても『最近の音楽』で、この感覚は死ぬまで直らないのかもと不安に思うこともあるのですが、皆さん如何ですか? さて、この作品。 日日本人の作った音楽のオリジナリティが初めて世界に認められた記念すべき一枚ではないでしょうか。(否”スキヤキソング”があったか?) 当時はコンピュータやシンセサイザーの新しさがピコピコ・サウンドなどと言われたりして、その新しさが故に拒絶反応もそれなりにあったように記憶していますが、今聴くと逆にちっとも新しく感じないのが 不思議です。実は80年代前後のジェネシス・フォロワー系プログレのB級ハズレ作品の方がよっぽどピコピコで、この作品の方が全然ロックしている感じさえします。 実験色の強いA面はさておき、ベスト・トラックのオンパレードのB面なんて、下手なプログレや変なシンフォニック・ロックを聴くんなら、断然こっちを聴くべきですね。 B-1『東風』にしても、B-2『中国女』にしても、このサウンドでこのネーミングに当時中学生だった私は完全にやられました。『中国女』なんて本当に凄いです。西洋のロックの魂に、日本のシンセの手法、 中国語のネーミング、そしてフランス語の歌詞。あたらない訳がないです。 B面ラストの『マッド・ピエロ』。これは隠れた名曲ではないでしょうか。言い過ぎかもしれませんが、バッジー(BUDGIE)の名曲『ナポレオン・ボナパルト』に通ずるスケールと躍動感が素晴らしいと思います。 またジャケットでも完全にノック・アウトですね。 この後『テクノポリス』と『ライディーン』をフィーチャーして飛躍し、初期2枚で完全に世界制覇を成し遂げたことは言うまでもありません。 ホント今更どうこういうようなアルバムではありませんが、盆・正月に帰省した時、何気なくのぞいた押入れに、まだ置いてあるのを見つけたりしたら、久々に一度聴いてみては如何でしょうか。きっと唸ります。 (って、それは他でもない私です…。) (2006.2.10) |