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第205回 HUMBLE PIE "As Safe As Yesterday Is" |
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HUMBLE PIE - "As Safe As Yesterday Is" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Steve Marriott(vo,g), Peter Frampton(g,vo), |
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Side (B) |
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スモール・フェイセズ(SMALL FACES)とハード(HERD)、それにスプーキー・トゥース(SPOOKY TOOTH)という当時の人気バンドが合体してできたスーパー・グループ、ハンブル・パイの記念すべき1st アルバムです。 ハンブル・パイはA&Mに移籍した3作目以降のアルバムに人気と評価が集中していますが、なんのなんの、このデビュー・アルバムの素晴らしさだって負けてません。 3rd以降ももちろん素晴らしいのですが、このデビュー・アルバムは中期以降にはない散漫さがあり、メンバーそれぞれの個性がまだ融合しきっていないぶつかり感が逆に新鮮な魅力でもあります。 ハンブル・パイの魅力のひとつは後期はスティーヴ・マリオット(Steve Marriott)の神がかり的なヴォーカルなんですが、ピーター・フランプトン(Peter Frampton)が脱退するまではドラムス以外の3人が 交代でヴォーカルをとっており、それぞれの歌い方を聴きわけるのが私の楽しみのひとつです。 まあでも、おいしいところは大体マリオットが歌うのでそれを聴いて、『おっ、きたきた!』といっては一緒に合唱するのが私の人生の至福の瞬間でもあります。 さてこのアルバムには、アメリカ南部系のカントリー調の曲も何曲か収録されていますが、個人的にはその辺は苦手で、聴くときは全曲聴くのではなく、好きなのを選んで聴くようにしています。 選んでよく聴くのはA-1、A-3、A-5で、最も好きなのはA-1です。 この曲はステッペン・ウルフ(STEPPEN WOLF)の曲のカバーなんですが、はっきり言ってオリジナルの100倍は素晴らしい。彼らの真骨頂である入れ替わり式ヴォーカルに、千葉ロッテのマスコット、マー君が グラウンドを走り回っているような超ドタバタドラミングが絡みつくなんとも賑やかな曲なんですが、出だしのマリオットの鬼気迫る歌いっぷりは凄すぎ。とても20代の若者が歌っているとは思えない、実に 堂々たるものです。 劉備玄徳に三顧の礼で迎えられた諸葛孔明が、弱冠20歳で初陣の采配を振るった際に、戦の後、関羽、張飛等の名だたる武将を前にして白羽扇を片手に『同慶の至りである。』(カッコよすぎ!)と言ったのは有名な 話ですが、そんなシーンをも思い起こしてしまうくらいの貫禄ですね。 他の二人(フランプトンとライドリー)が歌い始めてもすぐマリオットがバッキング・ヴォーカルに入ってしまい、しかもそっちの方がカッコイのでフロントより目だってしまう為彼らにしてみれば、恐らく『やって らんねえ!』状態だと思いますが、後半は遂にバッキングで歌っていることすらがマリオットの我慢の限界に達します。 暫く歌うのを我慢させられていたんじゃないかというくらいの爆発的な歌いっぷりで、聴いてるこっちも負けじと歌うとついつい我を忘れてしまい、それがカーステ(またかよ)なんかだったりすると邪魔をする ものも一切無いので、とんでもないことになり、翌日会社でガラガラ声でしゃべってると、部長あたりから『なんか最近風邪流行ってるな。』とわけのわからないことを言われたりするので、注意が必要です。 なんだかよくわからなくなりましたが、とにかくA-1は私の生涯ベストテンに入る曲なんで、皆さん是非聴いて下さい。 (2005.12.20) |