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第203回 CHICKEN SHACK "Imagination Lady" |
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CHICKEN SHACK - "Imagination Lady" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Stan Webb(vo,g), John Glasscock(b), Paul Hancox(ds) |
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Side (B) |
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ブリティッシュ・ブルースという独特の世界があるのを皆さんはご存知ですか。 ブリティッシュというとハード・ロック、プログレッシヴ・ロック等もはやひとつのジャンルとして確立されたものがありますが、個人的には一番オリジナリティの強い世界がブリティッシュ・ブルースだと思います。 アレクシス・コーナー(Alexis Korner)、グラハム・ボンド(Graham Bond)から始まってサヴォイ・ブラウン(Savoy Brown)、ジョン・メイオール(John Mayall)等素晴らしいアーチストと作品が ありますが、ブリティッシュ・ブルースというのは純粋にブルースとしてのみ存在しているのではなく、ハード・ロック等他の分野と融合することによって進化を遂げてきました。 特にレッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)やジェフ・ベック・グループ(JEFF BECK GROUP)の初期に見られるハード・ロックとブルースの融合は見事なもので、こういう魅力にハマったら最後、絶対に流行歌等聴けない 身体になってしまいます。 ブリティッシュ・ブルース・グループの中でサヴォイ・ブラウン(SAVOY BROWN)、フリートウッド・マック(FLEETWOOD MAC)、そしてこのチキン・シャック(CHICKEN SHACK)は俗に『ブリティッシュ・ブルー ス3大グループ』といわれており(しかしブリティッシュは3大が好きですね・・)、ブルース・ロックが好きな人はこの辺はマストでおさえておかなければならない作品がゴロゴロしています。 どのグループも初期の作品は熱い息吹とほとばしる汗が伝わってくるような、熱気に満ちた名演が多く、しかもこの手の音楽は聴いても聴いても飽きが来ないのがブルースいいところです。 そして、本題のチキン・シャックですが、初期の作品にはバリバリのブルース・ロックが多いのに、この5作目は突然変異作。ブルース・ロックの人が思いっきりハード・ロックしてみたらこうなりました的な 仕上がりになっています。 ブルース独特のゆらゆら感が極限まで抑えられており、全体に音が異常に硬質で、何もかもを弾き飛ばすような筋肉質ゴリゴリのサウンドです。特にリズムはかちんかちんで、その上にワウワウ使いまくりのギターが 絡みつく様は、中期ハンブル・パイ(HUMBLE PIE)のライブに匹敵する迫力。 どの曲も本当にすごいですが、A-4『Going Down』の音圧はステレオ機器の限界に挑戦したかのような凄さで、メイ・ブリッツ(MAY BLITZ)の1stのときのような衝撃が走ります。いろんな人がカバーしている曲ですが、 硬度と重さはこれが最強じゃあないでしょうか。 今ではハード・ロックの人にも広くお薦めされている作品ですが、バリバリのブルース・ロック・ファンから見ると意見のわかれる作品かも知れません。 (2005.11.30) |