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第193回 BUDGIE "Squawk" |
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BUDGIE - "Squawk" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Burke Shelley(b,vo,mellotron), Tony Bourge(g), |
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Side (B) |
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バッジーというと、サバス(BLACK SABBATH)も真っ青な重さを誇る1stや、メタリカ(今どうしてるんでしょう?)にも大きな影響を与えた4th『イン・フォー・ザ・キル(In For The Kill!)』がよく取上げられるものの、1stから5thまではどれも本当に出来がよく、今聴いたものが最高傑作になるという伯仲ぶりです。そして今これを聴いている私は、最も取上げられる事が少ないと思われるこの2ndこれを最高作として、ご紹介したいと思います。 ジャケットが一番貧相で、なんだか再結成後のアルバムか再発のようで、何の知識もなしにこれをいきなり買うというのは、海外で全く意味のわからない英語の料理を頼む位のチャレンジ精神がないといけません。 私も中古レコード店でこのアルバムジャケットを初めて見たときには、『本当にバッジーか?』と疑いながらも、(1)裏ジャケにインコ先生がうつっていたこと、(2)年代が72年ということ、(3)コーティングカバーだということ、を総合的に勘案し、『しょうがない。買うか・・。』としぶしぶ納得をしながらも、それでも今ひとつ踏ん切りが付かず、レコードを手に持ったまま、レジに近づいてはエサ箱に戻り、エサ箱に戻ってまたレジに近づくという行為を繰り返して買った思い出があります。 そしてドキドキの内容は・・というと、A-1でもう結論がでました。 大袈裟なハードロックと違い、まるで首都高新宿の入口のような助走の短いイントロから繰り出されるリフのオンパレードは、白米のように基本的で飽きのこない作りで本当に安心して聴けます。さすが、72年。 A-2以降も変則的なリフが続きますが、ギターの音色がこのアルバムだけは妙に太く、まるで郷ひろみのまゆげのような印象。冗談ではなく本当にそんな感じです。 そしてスカスカ、パタパタしたドラムスはB級マニアがヨダレを垂らして喜ぶこと間違いなしで、聴きながらこれを打ち込んでいる私はマウスがベタベタです。 そして突然飛び出すA-3の軽いフォーク。これがまたいいんだな。こんな状況で聴ける人がいるのかどうかは別として、例えば、イギリスの片田舎で、馬車の後ろに積んだ藁の上に寝そべって、次元大介のように帽子を目深にかぶって聴くのにはうってつけのナンバーです。 そしてB-2が更に隠れた名曲で、これはなんとメロトロン入り。 スリー・マン・アーミー(THREE MAN ARMY)の1stのB面ラストと並ぶB級ハードロックグループの名バラッドと言ってもいいでしょう。ふつうのグループのバラッドと違い、メロウになりすぎないのも魅力です。 このアルバムは全体的にかなりバランスがよく、バッジーのアルバム中最も飽きの来ないアルバムだと思います。 (2005.08.10) |