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第186回 OPUS AVANTRA "Lord Cromwell Plays Suite For Seven Vices" |
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OPUS AVANTRA - "Lord Cromwell Plays Suite For Seven Vices" |
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RARE度:★★★★★★★★★ |
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Member : |
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Alfredo Tisocco(key), Luciano Tavella(flute), |
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Side (B) |
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数あるあるイタリアのプログレッシヴ・ロックの中でもその気品と品格(同じ?)という点で、別格なのがこのオパス・アバントラです。 オパス・アバントラといえば素晴らしすぎるジャケットと前衛的な内容で日本中のイタリアン・ロック・ファンを討ち死にさせた絶世の名作デビュー・アルバムが有名ですが、この2ndアルバムは、その1stの内容を更に特化させたもので、初めて聴いたときの衝撃は今でも忘れることができません。 この年になって私もイタリアンやらフレンチやらをたまに食べに行くことがあり、そういうときに出てくる『何の肉だか良くわからんけど、こんなの食べたことのないわ。』みたいな不思議な料理を口にすることが ありますが、このアルバムはそんな作品。初めてグレイシー柔術を眼にした日本格闘界の戸惑いに相通じるものがあります。 つまりフツウのプログレ/ロックの常識では消化しきれない崇高な音楽は、イタリア芸術の歴史と伝統の重みまでもが迫ってくる大変な一枚なのです。 さてその内容ですが、A-1はフィメール・プログレの中でも世界レベルで頂点に位置するもので、極端に美しいそのフィメール・ヴォイスを大々的にフィーチャーしたとてつもない名曲。フルートの荘厳な響きも イタリアでしか出せないもの。ある意味ジェスロ・タル(JETHRO TULL)とは対極の音色です。1,000回聴いても飽きません。 この曲は実はドネラ・デル・モナコ(Donella Del Monaco)がシングルで出しているのですが、そちらもまた必殺の内容(人によってはそっちの方 が良いという人もいるようです)なので、ローン組んででも買っておきたいところです。 そしてひょっとしたらもっと凄いかもしれないのがA-3。こっちはA-1に比べて歌声がもっと優しげで、やわらかい春風のような感じで、徹マンやって帰ってきた後にふわふわの毛布にくるまって眠りに つくような心地よさ。マイナスイオン出まくり。 フィメール・ヴォーカルが大きくフィーチャーされているのはこの2曲だけで、それ以外の曲はジャケット同様のアヴァンギャルドな内容です。 アルバム全体では1stの方に軍配が上がるかも知れませんが、A-1、A-3が突出しているので、私はこちらに軍配です。 (2005.05.30) |