BACK TO HOME | ||
第185回 INDEXI "Same Title" |
||
|
INDEXI - "Same Title" |
|
RARE度:★★★★★ |
||
Member : |
||
|
||
|
Side (B) |
|
ユーゴを代表するプログレグループのINDEXIは、70年代中盤にこのデビューアルバムを発表して以来、アルバム毎に段々とプログレッシヴな 内容に進化していく、まさにプログレッシヴなグループです。 ここで紹介する74年のこのアルバムは後の作品ほどプログレ色は強なく、ラヴ・ロック気味のハードロック作品。ラヴ・ロックの風味が イタリアン・ロックを彷彿とさせる感じで、イタリアのフォルムラ・トレ(FORMULA 3)の初期に雰囲気が似ている部分もあります。 コレクター諸氏の間では、プログレに展開する後期(というか中期)に注目が集まっており78年の3rdアルバム『Modra Ribeka』なんかに 人気あるようですが、個人的にはこの1stアルバムが好きです。ラヴ・ロック風な作風とはいえ、70年代独特の熱気が凄く、ほとばしる 熱情とともに汗までもが飛び散ってくる迫力のある作品です。 こういうのはいくら最近の人たちがコピーしても絶対に雰囲気が出せない最たるもので、使っている楽器はハモンドとギターとベースくらいなのに、 とんでもない音圧。 そしてなんといっても歌メロが良い! A-3の心を打つような哀愁のヘヴィ・ラヴ・ロック(なんじゃそりゃ)は、部屋中完全にセピア色になります。ヴォーカルも伸びやかで政治弾圧を うけていた人が解放されたかのようなフリーダムな歌声です。 そして続くA-4がまた素晴らしい曲で、この手の作品の中ではユーゴを代表する曲だと思います。水戸黄門フレーズが流れるなか、ワビ・サビ さえ感じさせる古風なハモンドが鳴り響き、その中を『ネビ!ネビ!』と歌い上げるところは最高の瞬間です。 B面もA面同様にセピア色の世界が広がっており、B-3がひとつのクライマックス。古めかしい感じの曲ではあるのですが、木のぬくもりの ようなものを感じさせてくれるとてもあたたかい曲です。 夏の夕方に外をみてコーヒーを飲みながら、今日は楽しかったな・・・、なんて語り合うときに是非ともかけてもらいたい、そんな1曲です。 ラストはイル・バレット・ディ・ブロンゾのような哀愁のバラッドで幕を閉じます。 全体を通して、大曲はなく全て小粒な曲で構成されているのですが、捨て曲はあまりなく、いつ聴いても途中で針をあげることなく最後まで 聴いてしまうアルバムです。 ジャケットの70年代的デザインがまたいい感じなんですよね。 (2005.05.20) |