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第184回 BEDLAM "Same Title" |
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BEDLAM - "Same Title" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Cozy Powell(ds), Dave Ball(g), Dennis Ball(b), |
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Side (B) |
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ジェフ・ベックに見出された奇跡の超絶ドラマー、コージー・パウエルがジェフ・ベック・グループ脱退後に元プロコル・ハルムのデイヴ・ ボールと結成したグループで、プロデュースはマウンテンのフェリックス・パッパラルディ。 ジェフ・ベックに遠慮していたからなのか、単にまだ若かっただけなのか、ジェフ・ベック・グループの頃はまだその片鱗をちらほらみせる程度 だったコージー・パウエルの超絶ドラミングがもう少し前に出てくる感じのこのアルバムは、80年代のレインボウとかMSG(マイケル・ シェンカー・グループ)とかを聴いたことのある人間にとってはどうってことない音でも、73年という正統派ブリティッシュ・ハード・ロック 全盛の時期にしては様式美が強く、この手のメタリックな様式美は当時において相当異色な音だったのではないかと思います。 特にA-1は思いっきり様式美で、レインボウ信者ではない70年代正統派ブリティッシュ・ハード・ロック・ファンには意見の分かれるところで しょう。 ブルースの香りは薄くとも、曲そのものがかなりカッコよくて出来が良く、コージーが自分のできるテクニックをとりあえず全部入れてみました、 みたいな感じで、ドラムス・ファンならびにコージー・ファンは必携です。バスドラ連打もばっちり炸裂。この連打の音はコージー以外には出せ ません。バスドラ連打でドラマーを特定できるというのも凄い話です。 バラッドはもっと80年代っぽくて、妙にメロディアスです。どいうわけか、80年代のハードロックとヘヴィメタの間のグループがやる バラッドって妙にメロディアスじゃないですか。あんな感じなんです。 他は普通のハードロックが陳列されているので、一般の人が聴くとどうっていうことはなくとも、コージーが叩いているということを肝に 銘じて聴くとそれなりに楽しめる内容です。コージー自身もドラムス・プレイを聴かせるのがこのバンドの使命だ、と言わんばかりに叩きまくっ ています。 所謂『レインボウ三頭政治時代』(この言い方なんとかならんもんか)程の凄さはありませんが、それでも超絶の域には達しているので、 ドラムスの響きが好きなハード・ロック・ファンには充分楽しめるアルバムです。 70年代っぽいといえばそうだし、80年代メタルと言われればそういう気にもなるしのジャケットデザインはちょっと微妙な感じです。 (2005.05.10) |