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第182回 SMALL FACES "Ogdens' Nut Gone Flake" |
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SMALL FACES- "Ogdens' Nut Gone Flake" |
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RARE度:★★★ |
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Member : |
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Steve Marriott(vo,g), Ronnie Lane(b,vo), |
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Side (B) |
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ザ・フーのトミー、プリティ・シングスのSFソロウ、キンクスのアーサー等のトータルコンセプトアルバムが一種のブームになっていた60年代後半、ブームに乗ってスモール・フェイセスが出した作品です。 この作品は彼らがイミディエイトに移籍してからの第2弾になるのですが、移籍後の作品は、アイドルの色合いの強いデッカ時代に較べると格段に進歩がみられ、更に実験的要素まで加えたこのアルバムは彼らの頂点と言っても過言ではない作品です。 自分で言うのは何ですがハンブル・パイ(Humble Pie)の熱狂的な信者である私も、ハンブル・パイから掘り下げていった結果当然の事ながらスモール・フェイセスに辿り着くのですが、そのスモール・フェイセスの作品で初めて耳にしたのがこのアルバムでした。 ジャケットは変形だし、年代は70年代じゃないし、自分の持っているロックの本にはついてないし、本当に大丈夫かいな、と友人とドキドキしながら針を下ろした瞬間飛び出してきたその音は・・・!なんだかわからないけどサイケデリックでかっこいいぞ!!とその場で友人と握手をした覚えがあります。 ホール&オーツとかマイケル・ジャクソンとかそんなんがはびこっていた時代にこのアルバムを手にしたわけですが、そういうのに耳が慣れていた私にとって、このアルバムのA-1のめくるめくサイケな世界はむしろ新鮮この上ないものでした。 何度も言うようですがハンブル・パイの熱狂的な信者であると同時にスティーヴ・マリオットの熱狂的な信者でもあった私は、A-1に歌が入っていないことに少し不安を覚えましたが、A-2でやってくれました。 このA-2の出だしでマリオットが「ラアアア・アッフウ」(ちなみに「ラブ」です)と絶叫するところは60年代ロックを代表する名場面で、当時私のまわりでは失神者続出。これは歌メロも良い上に郷愁感も たっぷりあるので、部活を終えて下校時刻に夕日をみながら、歌うにはもってこいの名曲です。 A面はこれ以降実験的な作風の曲が淡々と進んでいくのですが、意表をつくのがA面ラスト!これはシングルカットされてそれなりにイギリスでヒットしたようですが、A-1からは想像もできないような軽快なナンバーで、天気の良い日にボートの上で揺られているような、それでいてミステリ アスな要素が隠し味で入っているような不思議な雰囲気なんです。 そしてB面はトータルコンセプト。 スタン少年の物語はステージでのMCばりのマリオットのナレーションによって曲と共に紹介されていきます。タイトルナンバーのB-1は月夜に岩の上で体操座りしているスタンの風景がイマジネーションされる 素晴らしい曲です。時には東洋調にそしてドラマティックに展開するこのアルバムのハイライトと言っても良いシーンです。 このあとも次々と色んな作風の曲が展開していきますが、曲間のマリオットのナレーションもピタリとはまっていて、ちゃんと英語がわかればもっと面白いんだろうなァーと思います。 彼らはこの作品を頂点として、半編集盤のような作品を出して解散。メンバーはそれぞれの道を歩みだします。 マリオットの全盛期はハンブル・パイになるのでしょうが、本作と前作の2枚あたりが最も生き生きしていて、フレッシュネスという意味でハンブル・パイとは違ったエネルギーに満ちています。 (2005.04.20) |