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第177回 ENRICO ROSA "Passione & Musica" |
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ENRICO ROSA - "Passione & Musica" |
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RARE度:★★ |
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Member : |
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Enrico Rosa(g), Torben Botker Bjornskov(b), |
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エンリコ・ローザ(ENRICO ROSA)という名前を聴いてピンと来るロックファンは少ないかも知れませんが、カンポ・デ・マルテ(CAMPO DI MARTE)というイタリアのプログレのグループの名前なら 聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。 エンリコ・ローザはそのカンポ・デ・マルテのギタリストで、知る人ぞ知る超絶速弾きギタリストでもあるのです!個人的には当時のイタリアン・プログレ・ギタリストの中ではトップクラスの腕前だと 思います。 カンポ・デ・マルテでのギタープレイはヘヴィーな色合いが強いものの、それでも時折りのぞく美しいフレーズが若さに似合わぬ非凡な才能を感じさせるものでした。 ここで紹介するアルバムはその頃から約30年を経てデンマークから出された作品です。 30年経っただけあって、ヘヴィーな部分は殆ど影をひそめ、エレキではなくアコースティックギター中心の構成で、時々ドラムスとピアノも入る、ヴォーカルなしのインストゥルメンタル・アルバムです。 しかしながら平凡なギターインストアルバムには終っておらず、ジャズ、クラシック等彼の長年蓄積した様々なジャンルのサウンドが凝縮されており、ヴォーカルなしの作品ながら、飽きることなく最後まで一気に 聴いてしまいます。 ただヘヴィーではない分、かなりリラックスして聴ける音楽であるというのも事実で、間接照明しまくりのバーのカウンターで、光るカクテル(なんかそういう店のカクテルって光ってませんか?)を飲みながらその バックでさりげなく流れてもおかしくない、そんな音楽でもあります。真夏の暑い日に汗をかきながら聴くような音楽ではなく、寝る前にしっとりと聴けば良い眠りにつけそうなそんな感じです。 間接照明とかガーデニングとか広尾のイタリアンとか神楽坂のフレンチとかそんなんがやたら似合う大人な雰囲気の作品です。 イタリアのプログレを扱っているような店でも扱われておらず、かといってメジャー系の店ではもっと扱いがないため、日本では殆ど知られていないのが残念ながら現状です。実際に耳にされた方は結構気に入る人も 多いのですが、ジャケの写真で引いてしまうのか・・。 マニアの人が血眼になって探して買うようなアルバムではありませんが、飽きることなく長く聴ける音楽で個人的にはかなり気に入っています。 (2005.02.28) |