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第163回 LED ZEPPELIN "In Through The Out Door" |
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LED ZEPPELIN - "In Through The Out Door" |
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RARE度:★ |
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Member : |
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Jimmy Page(g), Robert Plant(vo), |
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Side (B) |
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『どれか一枚を』といった場面ではまず登場することはないのですが、個人的にはとても気に入っているアルバムのご紹介です。 この後に発表された未発表曲集『最終楽章コーダ』が正式なラスト アルバムですが、こちらはレッド・ツェッペリンの『事実上』の ラストアルバム。これより3年前の前作には全盛期のAK砲の頃の西武ライオンズを彷彿とさせるような完全無欠作「プレゼンス」を発表しており、ある意味 ツェッペリン・ファン全員を黙らせたこともあって、このアルバムでは あえて新たな世界に挑戦してみた思惑がみてとれます。 この次にもう一枚アルバムが出せていたら今度は一体どんな変貌を 遂げていたのか見当もつきませんが、もう一枚だけで良いので出して欲し かったな・・と今更ながら思います。『どうしてあのアナキンが、ダースベーダーになったのか?』的興味ですね。 さてその内容ですが、初期しか知らない硬派の方々はA-1の「イン・ジ・ イーブニング」でまずひっくり返るのがお約束で、もうハイトーンでは ないプラントのヴォーカルも衝撃的なら、キーボードの音色もまた驚き。この曲でツェッペリンは80年代のツェッペリンというものを早くも 確立させています。 やや様式美も意識しながらも、更なるスケールを持ったサウンドは たたきあげのファン以外のロックファンにもアピールできるもので、 プログレっぽささえも漂うなかなかの出来だと思います。 更にこの後A-4でもう一回ひっくり返るのもこれまたお約束でしょう。 そして『ツェッペリンちゃうやん!』と文字通り耳を疑いたくなるような 内容のB-1でも、途中のキーボードソロなんざあまりのギターのなさに、 『フォー・ユア・ラヴ』のクラプトンか『ケラウズランブラ』のペイジか、とでも言いたくなってきます。 そしてB-2の『オール・マイ・ラヴ』。 これはきてます。でも音的にはもうニュー・ツェッペリンといってもいい でしょう。甘く気だるいプラントのヴォーカルと『ロサンゼルス』して いるペイジのギター、そして全編にわたって展開する80年代風キーボード。 ブランデーが欲しくなるオトナ系ロック!! 最初は硬派を気取って「絶対口ずさむもんか」と頑張っていたのに、 気が付くとキーボードソロで口笛を吹いている自分がそこにいました。 特に私はこれを聴きながら受験勉強をしていたという素晴らしい環境に いたせいか、今聴くと甘酸っぱすぎてだめですね。この曲に関しては。 しかも最近ではカラオケでもこの曲があったりで、たまりません! (おいおいおっさん) 続くB-3も同傾向の寝る前に聴ける真夜中バラッドなので、こっちも是非 聴いてネ。 まあそんな興奮は置いといて、みんながいいと言わないものにこそ実は 宝物があったりするので、揃えただけで棚に入れっぱなしにしている 方々も多いことと思いますが、たまには聴いてやって下さい。 喜ぶと思いますよ。(だれが?) (2004.09.30) |