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第154回 KINKS "Are The Village Green Preservation Society" |
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KINKS - "Are The Village Green Preservation Society" |
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RARE度:★★ |
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Member : |
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Ray Davis(vo,g), Dave Davis(vo,g), |
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Side (B) |
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私がはじめて耳にしたキンクスというのはかの「ユー・リアリー・ ガット・ミー」で、しかもきっかけはヴァン・ヘイレンがカバーしていた からという、それはそれはもう不純極まりない動機でした。 しかしこの「ユー・リアリー・ガット・ミー」のキンクス・オリジナル・ ヴァージョンはメタル一色だったヴァン・ヘイレンのヴァージョンを 聴きなれていた私にとっては実に新鮮で、ジミー・ペイジのソロに至って は卒倒するくらいしびれてしまった覚えがあります。ヴァン・ヘイレン・ ヴァージョンしか知らない方には、今からでも遅くはないので、 是非キンクスのオリジナルを聴いてみて下さい! さて、そんな曲が収録されているこの1stアルバムですが、ザ・フーの 1st(必携)のように素晴らしいできなのかというと・・勇気をふり しぼって言うと、他の曲は実は「そんなに良くありません。」(ヒエ〜) ではアルバムという意味ではどれがいいのかというと、とっつきやすくて 入りやすいのが『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』 (←これくらいはそらですらすら言えないといけません)です。これは当時流行りのトータルコンセプトな作りになっていて、スモール・ フェイセスで言えば「オグデン」、ビートルズで言えば「サージェント・ ペッパーズ」、ザ・フーで言えば「トミー」、YMOで言えば「スネークマン ショー」(?)にあたるものです。 「アーサー〜・・・」(←そらで言えてないじゃないか)以外の他の アルバムは、まあ悪くはないかなという程度で、昔は軽視していたのですが、彼らの作品は「マズウェル・ヒルビリーズ」のように、 じわじわと良くなってくるものが実に多いんです。そして今日ご紹介するこれまたタイトルの長い通称「ヴィレッジ・ グリーン」。(←やっぱりそらで言えない)です。(やっと本題) 聴けば聴くほどにぐんぐん良くなるとんでもないアルバムです。 このアルバムは、そのタイトルの通り田舎の村で過ごす人たちのことを 描いた作品らしいのですが、A-1から素晴らしい田園風景が浮かんでくる ようなイメージたっぷりです。最初のギターの刻み音ひとつで聴いている部屋の雰囲気が一瞬でかわります。 そうかといってヘロンのような田園フォークかというとそうでもなく、隠そうにも隠し切れないブリティッシュ・ロックの香りがそこはかとなく 漂ってきます。 中でも私の一番のお気に入りがA-2。この曲の「ウォールターッ」っていう 呼びかけのフレーズが実にいいんです。ウォルターっていう名前の友達が できたら、いつかこんな風に呼んでみたいなってずっと思っていました。 それからB-1もいいですね。イントロの味といったらもう、この甘酸っ ぱさは尋常ではありません。「レイジー・サンデー」級です。 ふらふら酔っているようにみせかけてその実とても計算された動きで 相手を倒すジャッキー・チェンの「酔拳」のように、このアルバムって 一聴した限り、特にA-2なんかは適当に歌っているなって感じなのに、 実はもの凄く緻密に計算されているのかも。 誰にでもコピーできそうで、実は誰にもマネできない音楽・・。 それがキンキーサウンド。 (かっこよくキマッたな。フフフ) (2004.06.20) |