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第150回 FIELDS "Same Title" |
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FIELDS - "Same Title" |
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RARE度:★★★★★★ |
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Member : |
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Richard Fortunato(g,vo), Steven Lagana(ds,vo), Patrick Burke(b,vo) |
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Side (B) |
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フィールズというとイギリスのプログレッシヴバンドを真っ先に思い 浮かべる方もいらっしゃるかも知れませんが、こちらはアメリカの ハードロクトリオです。 イギリス盤も出ているせいからか、アメリカのグループのくせに ブリティッシュハードの特集本とかにもカッコウのヒナのように何食わぬ顔をして掲載されていたりすることもあるようです。 ジャケットが思いっきりハードロック宣言。ハードロック以外のことは 絶対にできないジャケットです。アメリカのアリゾナあたりを レンタカーで走っていたりすると、でかいバイクで後ろから追いかけて きそうな悪そうな面構えが否が応にも期待させてくれます。 『内ジャケはたぶんもっと怖い顔して腕を組んだりしているかも知れん な・・・。』と思って内ジャケを開けると、全くその通りの展開に なっていました。ひねりのない人たちですね。 さてそんなことは置いといて、内容の方はというと実に高水準のハードロックアルバムとなっています。A面冒頭からアンディ・フレイザーが泣いて謝るような超濃口のベース ラインがうなりをあげます。ベースだけでなく全体がとても濃いです。下手するとこれは、かのサー・ロード・バルチモアや天下一ラーメンよりも濃いかもしれません。 真夏の真っ昼間にクーラーの壊れた四畳半の部屋で高校野球でも観ながら 5人くらいでキムチチゲをつつきながら聴くと最悪です・・。じゃなくて 最高です。 A-1だけの印象でいくとこれはずっとこの濃い口ラーメンが続くのかと、 逃げ出したくなりますが、実はアルバム全体はかなり凝った作りになって いて、女性コーラスが入ったり(ホントですってば)、管楽器が入ったり でアルバムの序盤からは全く考えられない展開をしていきます。とはいっても勿論ベースはハードロックなので、間違ってもこれを読んで 『おっ?女性コーラスか』とマック・マーロウあたりを期待してフォーク 系の人が買ったりすると、家帰ってから大暴れしないといけなくなるので、 その辺は注意が必要です。 そしてB面は渋く1曲のみの構成。 しかもタイトルは『ラブ・イズ・ザ・ワード』。(さてはおぬし コミューン暮らしだなって感じの題ですね)A面の5曲もどれも捨て曲が ない素晴らしいアルバムとなっているのですが、B-1を聴くとやっぱり こっちがハイライトだと言わざるを得ません。特に途中管楽器が入って 東洋調に転調するところが圧巻で、その後ま女性コーラスが入ってきたり して、もう大変です。 クライマックスで管楽器とドラムスとギターが荒れ狂い始めると、もう 誰にも止められません。聴いている者は完全にノックアウトです。 聴き終わった瞬間に『フィールズ万歳!』と叫びながら、 ウェーブしている貴方の姿が目に浮かびます。 (2004.05.10) |