第109回 FIRM "Same Title" |
||
|
FIRM - "Same Title" |
|
RARE度:★ |
||
Member : |
||
Jimmy Page(g), Paul Rodgers(vo), Tony Franklin(b), |
||
Side (A) |
Side (B) |
|
私がハードロックを聴き始めたのは実は80年代に入ってからの頃で、その頃は既にLED
ZEPPELINも解散していたし、THE WHOもKeith Moonが亡くなってしまった後のことでした。80年代というとロックの全盛期は過ぎ去った後の時代でしたが、それでもいくつかのバンドやアーチストは余韻のように活躍していた時代でもありました。
LED ZEPPELIN解散後、待ちに待ったあげくに耳にすることができたJimmy Pageの音というのが、あのチャールズブロンソンのガンマン映画(?)のサントラ『ロサンゼルス』だったっていうのは我々ZEPPELINフリークにとっては、とても辛い出来事でした。
が、そんなサントラでも私は随分我慢しながら聴いていたもんですが、無理矢理好きになろうとすれば好きになれるもので、Ronnie Laneアームズコンサートでも演った『Prelude』なんて今になって思えば、相当の名曲ではないかと思います。まあそんな風に強がっていてもやっぱりソロ活動ではなく、ロックグループとしてのJimmy
Pageの登場は、肉体労働で喉の渇ききっていた人にとっての中生(ちゅうなま)みたいなもので、当時大歓声を以ってファンに迎えられたように記憶しています。しかもヴォーカルはもとBAD
COMPANYのPaul Rodgersとくれば、それを聞いただけで『これはハンセン/ブロディ級だな・・。』と鼻息が荒くならずにはいられません。
このアルバムのライナーにも書かれていましたが、1曲目の『Closer』のイントロのギターが実にJimmy Pageしていて『ああ、これを待っていたんです。』って感じです。
全体的に曲の感じはBAD COMPANYっぽくって、それにでしゃばりまくりのJimmy Pageのギターがよくマッチしていると思います。特にシングルカットされた『Radioactive』はかなりの出来です。
ただこの時期の音楽って、古いとはいっても黄金の70年代とは違って今聴くと中途半端に音が新しいのが逆にイマイチって感じがします。ドラムスの音なんかがもう少し70年代していればもっとカッコ良かっただろうに、などと思ってしまいます。
それでもこの時期のものの中では、なかなかの作品なのではないかとの思いから、評価しておきたい一枚なのであります。