第104回 PATTO "Same Title" |
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PATTO - "Same Title" |
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RARE度:★★★★ |
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Member : |
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Mike Patto(vo), John Halsey(ds), |
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Side (A) |
Side (B) |
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ブリティッシュロックの中で絶対に外す事のできないのがこのPATTOです。
パトーと読む人もいるようですが、パトゥーと読むようです。
彼らは通算3枚のアルバムを発表していて、その中でもロジャーディーンによる素晴らしいデザインの変形ジャケットに包まれた2ndアルバムが有名で、プログレファン/ハードロックファンのどちらからも熱いまなざし(なんじゃそりゃ)で注目を浴びている作品です。
内容は一言では言い尽くせない奥行きの深さのあるもので、しかもファンキーな匂いがそこはかとなく漂っていたりするので、実に個性的です。
ラストアルバムの3rdは2ndに較べるとややバランスが悪い感じはしますが、それでも超速弾きギターが炸裂するような曲がフィーチャーされていて、拳を握り締めることのできる作品です。
今回ここで紹介するのは1stアルバムで、2nd/3rdと較べるとかなり正統派なハードロックアルバムとなっています。
ハードロックファンにとってハードロックアルバムを判断する上でのひとつの基準になるのが、『スカッとアドレナリンを放出できるような盛りあがり場面が用意されているかどうか』という点です。
ハードロックの方は、例えばZEPPELINの1stの『幻惑されて』の後半のところとか、DEEP PURPLEの例の曲のオルガンソロの6連符のところとか、マイナーなところではSTRAY DOGのA-1のエンディングとか、TASTEのCatfishのエンディングとか..(もういいって)、そういう場面を若い頃に必ず経験しているはずで、そういうのがあるのとないのってえらい違いなんですよね。
その点、このアルバムにはそういう場面もしっかり用意されていて、それがあるだけで私なんかは『よし、合格』(えらそうに..)って気分になってしまいます。
そういう場面がしっかり用意されているのはA-1で、この曲は本当に筆舌に尽くし難い内容です。
まるで平田オリザさんのお芝居の始まり方のように曲はだらだらと始まります。
『あれっ?もう始まっとるの??』って感じです。
それでいて最初の方は全然ヘヴィーじゃないので、ちょっとがっくしきてしまいますが、この曲の魂は後半にあります。
ヴォーカルは延々と『あっ、ソーメーン』と叫んでいるだけなのですが、ドラムスが我慢しきれなくなった感じで一気に爆発。
でもこういうドラムスの音を聴いていると、きっとこの人、盛り上がり部分の演奏の時って絶対に口開けて叩くタイプだろうなって気がします。よくロックビデオで見る口を『お』と『あ』の間の形にするアレです。
そんなことはさておき、これ彼らのデビューアルバムなんですが、デビューアルバムにしてこんなにもオリジナリティがはっきりと打ち出されているのって凄いなって思いますね。