第85回 QUELLA VECCHIA LOCANDA "Il Tempo Della Gioia" |
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QUELLA VECCHIA LOCANDA - "Il Tempo Della Gioia" |
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RARE度:★★★★★★★★★ |
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Member : |
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Massimo Roselli(key,vo), Giorgio Giorgi(vo,flute), |
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Side (A) |
Side (B) |
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イタリアンプログレの中でも最高のレア度を誇っていた廃盤中の廃盤。
今でこそLP、CD共に再発が出ており広く一般にまで知れ渡っていますが、80年代中頃まではイタリア盤の原盤でしか音を聴くことができない代物でした。特に日本人コレクターがこれを海外で発掘してきた当時は、日本国内でのディーラー希望小売り価格(なんじゃ、そりゃあ)が\85,000だったといわれています。(よく中古レコード店の壁(それも上の方)に飾ってありました)
私もイタリアのプログレを聴くまではほとんどハードロックしか知らないような人間で、プログレといえばキング・クリムゾンとかELPとかイエスの危機くらいしか聴いたことがなかったんですが、このグループの音楽を聴いた時はちょっと衝撃でした。
私が最初に聴いたのは1stの方(こっちは2nd)で、そちらはこの2ndよりももっとロックっぽい仕上がりになっているんですが、ヴァイオリンが大々的にフィーチャーされているところが『普通じゃないぜ』って感じで、とても刺激的な作品でした。
でもやっぱりジャケの衝撃からいうと断然2ndですね。
このアバンギャルドでセンス抜群のデザインで、\85,000と言われた日にゃあ、何人のマニアがキャッシングに走ったことか、想像に難くありません。
これをお店の袋に使っていたお店(知っている方連絡下さい)もあったくらいで、世界で5本の指に入るくらいのジャケットだと思います。
そして肝心の音はというと、1stからロックっぽさを抜いてより美的感覚を高めてみました、というくらい芸術性の高い内容で、A-1の盛りあがり部分のアルファー波の放出量はSPIROGYRAの『Bells, Boots..』のA-1と同等、いやそれ以上かもわかりません。
誰がつけたのか知りませんが(恐らくマー○ー関係の人間と思われます)、『ドリア・パンフィリの別邸』という邦題もイマジネーションを高めてくれてなかなかいいです。さぞかしかっこいい別邸なんでしょうね。
(邦題を知っているってことは、さてはおぬし再発か・・?)
そしてA-2は究極。
こういう荘厳なコーラスはイタリアならではって感じです。イギリスのプログレにもキング・クリムゾンの『風に語りて』みたいに美しい曲もたくさんあるんですが、イタリアのはちょっと違うんですよ。
うまく説明できないんですが、なんかキリスト的というか、ヨハネ・パウロとかシスティーナとかピエタとかそんな感じの美学です。これは我々東洋人だけでなく、イギリス人にも真似のできないものがあるように思います。例えば
ピアノの一音だけでも、なんか違うんですよね。
B面は大々的にヴァイオリンがフィーチャーされていて、まるでイギリスのESPERANTOのようでこれもなかなか良い出来ですが、やっぱりこのアルバムはA面につきます。