第83回 STRIFE "Back To Thunder" |
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STRIFE - "Back To Thunder" |
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RARE度:★★ |
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Member : |
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John Reid(g,vo), Gordon Rowley(b,vo), David Williams(ds,vo), |
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Side (A) |
Side (B) |
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ブリティッシュロックの全盛期が過ぎた75年にデビューしたハードロックグループ。彼らは日本の戦国時代に傾倒していたようで、アルバムもそういう絵をあしらったジャケットになっています。ただ、こういう絵のジャケットって日本人の私からみると、どうにもダサい感じがして、あまり好きにはなれないのですが、欧米の方々にはどんな風に映るのでしょうか?
ここで紹介するアルバムは2ndアルバムなんですが、ジャケットのダサさ加減は、侍の戦闘シーンの1stよりも更に磨きがかかっていて、買っても全然嬉しくないやっ、ていうくらいダサいんです。まあ、そんなことが原因なのかどうか、ハードロックファンの間でも殆ど相手にされてこなかったグループで、モノの本で紹介されることもあまりありません。
私も試聴するまでは全く興味の対象外だったんですが、実際に音を聴いてみたらこれが意外や意外、なかなかいいんですよ。良いとはいっても無論B級の域を出ているものではありませんが、かのTHREE MAN ARMYの精神を引き継いだかのようなスピーディなリフ攻撃のキレがよく聴いていてとても心地良く耳に響いてきます。B級グループのリフ攻撃というと80年代前半のヘヴィメタ系のように単純で幼稚なものになりがちですが、彼らのリフは結構凝ったものになっていて、とてもよく練られていると思います。聴きこめば聴きこむ程に良さが伝わってくるような感じです。
また、これはハードロックアルバムを語る時に意外と軽視されがちなんですが、このアルバム、メロディが凄く良いんです。特にA面の流れと曲の良さといったら、もう!A面ラストの曲なんてBUDGIEの全盛期のハードロックバラードに匹敵するくらいの素晴らしさで、きらめく美しいギターの音色、そして時折入るピアノもアクセントになっていて、『フンッ!こんなアルバム気に入るもんかっ。』と肩肘張ってそっぽを向いていた貴兄も、A面全体を聴き終える頃にはきっと心を開いてくれることでしょう。
B面も同路線ですが、更にもう少し凝っていて個性的な曲が多いです。特にB-3は転調の激しい、とても目まぐるしいナンバーで、『ちょっと、こんな展開のハードロックは今まであんまり聴いたことがないっすね。』という感じです。
くどいようですが、本当にこのアルバム、ジャケットが惜しいです。キーフかヒプノシスにデザインしてもらってヴァーティゴあたりからリリースしていたら、今頃は3万円超級の幻の廃盤としてマニアが血眼になって探すようなステイタス(っていうのかそれ)を築いていたかも?です。
やっぱり、音楽は聴いてみるまでわからんもんです。ジャケットで判断しちゃってごめんなさい、と反省させられるアルバムでした。レコードは見た目じゃないんですね。