第80回 JERICHO "Same Title" |
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JERICHO - "Same Title" |
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RARE度:★★★★★★ |
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Member : |
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Rob Huxley(g), Ami Triebich(ds), Haim Romano(g), |
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Side (A) |
Side (B) |
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"JUNKIES, MONKEYS
& DONKEYS"というけったいなタイトルのアルバムでデビューした、なんとイスラエル人のグループ。
けったいなのはタイトル名だけで、ヘヴィープログレ系のファンをそれなりに喜ばしてくれるそのデビューアルバムもなかなかの内容でしたが、今回ご紹介する2ndアルバムは、1stを更にヘヴィーにしたような内容で、ハード系の人は絶対に見逃してはいけない作品です。
よく『ジャケで脅す』といいますが(言わん、言わん)、このアルバムデザインは如何にも『ハードロック名盤』ちっくな感じで、威厳すら漂っています。
なんといってもA-1ですね。
これは世界のハードロック史上確実に5指に入るであろう破壊力を誇っていて(なんかこの言い回し多いな)、そのドライブ感満点の展開はT2のA-1やTOADのA-1等と同等もしくはそれ以上の出来映えです。
リズムの切れ味も去る事ながら、まるでミッシェルクワンがショートトラック決勝に出場したかのようなスピーディでエレガントなギターの切れ味が最高です。
延々と続いたイントロが終ると、Ian GillanとRob Halford(←JUDAS PRIESTのあの怖そうな人のことです。実は今調べました..)が泣いて謝るんじゃないかというくらい凶暴な感じのヴォーカルが襲ってきます。
さすがに戦乱の中近東でもまれているだけあって、気合の入り方がそんじょそこらのぬるま湯野郎(そういうあんたは何様なんだ)とは訳が違います。
まあ、この曲だったらカーステで思いっきり大きな音でかければ、選挙カーにも負けないと思いますよ。
そしてA面の他の曲はというと..。すみません、お通しが派手過ぎてちょっと覚えてません、って感じなんですよ。
さてB面ですが。
うん?なんだこのイントロのハミングは?と思わず手を止めてしまいそうな、A面(というかA-1)からは全く想像できない極上のバラードなんです。
しかもピアノまで散りばめられていて、更にA面とはとても同一人物とは思えない泣きのギターとストリングスは、まるでTHREE MAN ARMYの例の曲のような涙を誘うリフレイン。どんなに凶暴な人でもリングを降りるとなんて紳士なんだろう、そんな感じの曲ですね。
『ハードロックアルバムの名盤に名バラード有り』という使い古された格言を地で行くような素晴らしいナンバーです。
そしてB面の他の曲はというと、すみません。お通しが派手過ぎて..(おいっ!)。
目下中東はとても不安定な政治情勢で一発触発の状況ですが、凶暴さを音楽で表現できた彼等には銃と爆弾は不要でしょう。こんな争いならいっくら激しくても大歓迎なんですけどね..。