第77回 ELIAS HULK "Unchained" |
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RARE度:★★★★★★★ |
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Member : |
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James Haines(b), Bernard James(ds), Neil Tatum(g), |
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Side (A) |
Side (B) |
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なんて下品なジャケットなんだろう..。
ブリティッシュハードロックのアンダーグラウンドの隠れたる名盤として名高いこのレアァア↑(マニアの人ってレアのことをいうと必ずこういうアクセントになりますよね)な一枚は、これまたアンダーグラウンドなレーベルYOUNG
BLOODから発売されたもので、その入手困難さとプレミアムの高さからマニア泣かせの作品としても有名です。
ジャケットの醜さのインパクトが強すぎて食わず(聴かず?)嫌いの人もいるんじゃないかと思いますが、冷静に内容を聴いてみるとこれがなかなかツウ好みの音をしていて、70年代B級ヘヴィーサイケグレッシヴ(ちょっと混ぜてみました)にしか出せないような妖しげなムードが好きな人にはたまらない魅力となっています。
ただ、ジャケットの醜さが、本当に半端じゃないので、このレコードを買った時には、なるべく誰にも会わずに真っ直ぐ家に帰った方が無難じゃないかと思います。
例えば、買った帰りに誰かと待ち合わせをしていたりすると、いまどきレコードを持っていることだけで既に物珍しさの対象となってしまうのに、『何買ったの?それ、レコードじゃないの?』、『ああ、ま、まあね。』『ちょっと見して、見して。』『いやっ、そ、そ、そんな見せれるようなもんじゃないから。』なんてことになってしまい、それでも抵抗むなしくジャケットを見られてしまった日にゃあ、『ふーうん。そんな趣味だったんだ..。』『(ウッ)そ、そう言われるとこのジャケットはアブナイよなあ..アッハッハハハッ・・(あせあせ)』てなことになり、社会的制裁を受け兼ねません。
思い起こせば、まだこのレコードがコレクターズアイテムとしてそれほど知られていない頃、中古レコード店でこれを試聴させてもらった私の知人は、そのB級ムード満点の素晴らしさにしびれるあまり、思わずレジの前で踊ってしまったという伝説(本当かいな)があります。『踊った』んですよ!! 最近のレコードで、レジの前で踊るくらい素晴らしいレコードが他にありますか? まあでも、この件に関してはレコードよりもむしろ踊った本人をむしろ誉めるべきかも知れませんが。
話しが脱線してしまいました。
このレコードの中でも特に注目すべきはA面のエネルギッシュな演奏です。A-1の曲間からいきなりドラムソロを入れてしまうあたり、世間知らずな無鉄砲感がありますが、ドラムスの音がGinger
Baker系のパタパタした音ではなく、ドスンドスンという和太鼓系なので迫力があります
そして個人的に一番好きなのがA-2です。ここでもA-1同様、和太鼓が炸裂しているのですが、まるで妖しげなかがり火を焚いている真夜中のお寺の境内の奥で、裸の男どもが何かに取り付かれたように太鼓をたたいているような雰囲気で、その前を鬼面頭(知ってますか?赤銅鈴之助に出てくるやつです)が舞っているような、
ちょっと背スジ(背スレじゃないです)が寒くなるような感覚が最高。
このレコード、ドイツ盤はジャケ違いとなっていて、メンバーの演奏シーンの写ったものとなっています。こっちなら人に見られても恥ずかしくないと思います。